2016 Fiscal Year Research-status Report
環境法学の体系、解釈論、立法論を総合した「環境法総論」の構築
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26340127
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
田中 謙 関西大学, 法学部, 教授 (30325691)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 環境法総論 / 解釈法学 / 政策法学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、解釈論及び立法論に資するような①環境法学の体系、②解釈論、③立法論の3つを総合した「環境法総論」を構築することを目的とする。当該目的を達成するために、本研究は、(1) 既存の法システムの趣旨や意味を探求する「解釈法学研究」、(2) 新しい法システムを設計する「政策法学研究」のほかに、(3) 法制度の法過程や規制過程に関する体系的な実証研究をする「法社会学研究」を実施することによって、わが国の立法論に資することを狙いとしている。これらの研究を実施するに際しては、(4) 米国法及びドイツ法も参考にしつつ、(5) 国内外で実態調査を実施する予定である。 本研究は、①環境法学の体系、②解釈論、③立法論、の3つを総合した「環境法総論」を構築することを目的とするものであるが、具体的には、①環境法学の体系(実体法システムの体系化)、②解釈論(合理的な解釈方法の確立)、③立法論(制度設計に役立つ立法政策論の確立)、という3つの視点から検討するとともに、これら3つを総合した「包括的な環境法総論」を構築することを模索するものである。さらに、環境法は、「持続可能な発展」と「環境公益の実現」を究極的な目標としているといえようが、これら2つの目的を実現するうえで要求される「環境法の基本的な考え方」について明らかにするとともに、これら基本的な考え方を「環境法総論」のなかにどのように位置づけることができるのかという問題についても検討したいと考えている。 以上のように、本研究は、最終的には、効果的な環境法総論について検討するものであるが、まずは日本における環境政策の問題点を確認するとともに、論点を明確にする必要がある。平成27年度に引き続いて、平成28年度も、国内で実態調査を実施するとともに、さまざまな文献を収集して、論点を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、最終的には、効果的な環境法総論について検討するものであるが、まずは日本における環境政策の問題点を確認するとともに、論点を明確にする必要がある。平成28年度も、国内で実態調査を実施するとともにさまざまな文献を収集して、論点を整理することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年9月1日から平成30年8月31日までの1年間、米国カリフォルニア大学バークレー校「法と社会」研究センターに在外研究に行く予定である。そのため、法社会学研究の蓄積がある米国の文献研究に重点を置いた研究を進めることとしたい。なお、在外研究期間中、米国関係機関に実態調査を実施するとともに、米国の研究者と意見交換をすることを考えているが、そのためにも、平成29年度の渡米前は、論点をより明確にするとともに、整理した論点について、①環境法学の体系(実体法システムの体系化)、②解釈論(合理的な解釈方法の確立)、③立法論(制度設計に役立つ立法政策論の確立)という3つの視点から検討することとしたい。
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Causes of Carryover |
当初は、12月に購入依頼を出していたパソコンの精算を済ませた後で1月の出張を打ち切り支給にする予定で考えていたが、複数の業者に見積もりを依頼していたところ、結果としてパソコンの値段がなかなか確定できず、まずは1月の出張を満額支給することとなった。その後、予想以上に安い値段でパソコンを購入することができたため、結果として、6,405円ほどの残額が発生することとなってしまった。年度末が差し迫っている状況で今年度中に6,405円を使用するよりも、来年度に回す方が効果的であろうと考えたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年9月1日から渡米する予定であるが、外国文献の購入、あるいは、渡米前に論点を整理しておくための国内出張等に今年度の残額を使用したいと考えている。
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