2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the expansion of production theory and production method in the garden planning surrounding the work of Mirei Shigemori.
Project/Area Number |
26350028
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
河内 浩志 広島工業大学, 環境学部, 教授 (20195663)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 建築デザイン / 重森三玲 / 庭園計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
■ 研究実績の概要 平成28年度中の研究では,重森三玲の設計作品である茶室「犀庵」(金沢県立能楽堂敷地内移設),光明院庭園「波心庭」・茶室「羅月庵」,東福寺本坊庭園,重森三玲庭園美術館,泉涌寺等への調査とインタビューを中心に行った。同時に,「重森三玲の作庭を巡る庭園」に関する庭園調査として,重森三玲の庭園研究対象地であった兼六園,金地院,平城宮跡東院庭園等の古庭園に対する実測調査とインタビュー調査等を行った。一方で,調査と並行して「制作理論と制作手法」の展開を辿ることも行った。 また同時に,著述を多数残している重森の文献資料の精読や関係者へのインタビューを行うことで,彼の作庭の捉え方を庭園調査ばかりでなく,彼の庭園思想の分野へも拡張して,その作庭術の理論的枠組みの検討が出来た。本研究の実測調査やインタビュー調査での結果は,重森三玲の作庭作品や建築作品,制作理論の対照的関係性の確立を目指す為に重要になるとともに,特に庭園作品制作の傾向を探るうえにおいても重要な位置付になった。本研究では,これらの対照的関係を探ることによって,重森三玲の庭園制作術の意味を明確にすることが可能となった。 さらに,重森三玲の作庭作品と建築作品の調査に加え,文献調査における外面的・内面的な両性格の検討を通して,それらの「制作理論と制作手法の展開」の意味の類型化と構造化が図られた。 また,現在まで学術的に重森三玲を取り扱い評価する動きは多く行われてこなかったことに対して,本研究は,こうした背景のもとに,重森の残した作品や文献を対象資料とし,重森三玲の作庭思想を解き明かすことで,重森三玲に対する再評価を行い,広く庭園計画における制作理論と制作手法を,より実践的なレベルへの展開可能性を開くものである。
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Research Products
(4 results)