2014 Fiscal Year Research-status Report
手続型モデリングと3Dプリンタを併用した装飾部材の設計支援とその応用に関する研究
| Project/Area Number |
26350030
|
|---|
| Research Institution | Musashino Art University |
|---|
Principal Investigator |
高山 穣 武蔵野美術大学, 造形学部, 専任講師 (50571907)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
| Keywords | グラフィックス / 装飾美術 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究年度においては研究課題遂行の初期段階として以下の項目を実施した。
まず装飾部材のデータをどのような形式で生成するのが最も効率的であるかを探るため、立体データ生成のための様々な手法を試みた。その中においても特に、点群データ（ポイントクラウド）として出力した形状をメッシュ変換するのが装飾形状においてはアルゴリズム構築の観点からも効率が良いことが確認できた。これを受けて点群データからメッシュ生成のためのアルゴリズムを複数試み、本研究課題で取り上げる様式の装飾形状に特有のレリーフ構造に適した手法を探った。
並行して、装飾モチーフの数理化についても初期段階に着手しており、3Dスキャンも含めて複数の手法により形状の分析を行っているほか、型取りや塗装、さらには3Dプリントした形状の表面処理などについても検討を行った。
また、本研究課題では装飾部材の応用面についても検討することにしているため、早期からその準備を行う目的で、手続的に生成した装飾部材を3Dプリントし、実際の室内装飾として使用することを試みた。具体的には本研究年度にオープンした都内のホテルの協力を得て、複数の客室内に3Dプリントしたレリーフパネルを数点設置した。これにより、審美的に耐えうるかどうかも含め、耐久性・安全性など様々な観点からの実験を行っており、それらのデータを得るため長期展示中となっている。本実績については、本研究年度11月に開催された国際会議において発表を行っている。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究年度においては次の理由により研究実施の若干の遅れが生じている。まず、当該研究年度より研究代表者の所属研究機関が変更となったため、機器類の設置場所の確保など、研究環境整備のために期間を要し、そのために機器類の使用が遅れることとなった。また、所属研究機関の変更、および使用する機器の販売代理店の都合により、保守業者が変更となったため、使用機器類のセットアップに遅れが生じた。
|
| Strategy for Future Research Activity |
本研究年度での成果を受けて、点群データとして装飾部材を生成することが効率的であると判明したため、今後は装飾部材を点群として数理的に出力するためのアルゴリズム開発が主体となる。
以上の項目に加え、SIGGRAPH等の関連学会の視察を通じ、上記研究計画の遂行に必要な資料収集を行うと同時に、得られた成果については国内外での発表を目指す。具体的発表形態は学会発表や論文執筆等に加え、発表予定の関連学会に併設されるアート系公募展等での審美的造形物としての発表なども考えられる。
|
| Causes of Carryover |
本研究年度においては研究代表者の所属研究機関が変更となったため使用機器類の設置準備に期間を要し、これに伴って当初購入予定であった機器備品やソフトウェアの購入が遅れ残額が発生した。また機器類の保守業者が変更となったため、3Dプリンタをはじめとした機器類の使用時間が当初予定よりも少なくなった。これに伴い、3Dプリンタの造形素材などの消耗品は当初より使用量が少なくなり、その分の残額が生じている。消耗品の一部は使用期限があることから、当初の計画通りに購入すると無駄になってしまう可能性があったことから購入を次年度に見送ることとした。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度においては本研究年度に使用量が少なかった3Dプリンタの消耗品購入を増加する予定である。また、研究代表者の所属研究機関の変更に伴い、3Dプリンタの保守業者が変更となり、その分の保守費用が必要となる。
なお、当初の研究計画調書時点とは、購入予定のソフトウェアや機器類の規格・価格が変更になっており、それらの購入計画については、本年度の研究成果に応じて再検討する。
併せて、SIGGRAPH等の関連学会の視察を行い、情報収集を行うため、それらの旅費や学会参加費を使用する。
|
Research Products
(1 results)
