2015 Fiscal Year Research-status Report
車椅子トータルサポートシステムの開発と有用性の検証
Project/Area Number |
26350031
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
古賀 元也 崇城大学, 工学部, 助教 (30635628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 信生 崇城大学, 情報学部, 助教 (60553584)
松原 誠仁 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (60515782)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 福祉のまちづくり / 自走式車いす / 身障者支援ツール / 車いすナビゲーション・システム / 広域モデル開発手法の提案 / 通り評価アプリ / ワークショップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,身障者やお年寄りが安全で,安心してまちなか活動を楽しめるよう福祉のまちづくり支援として身障者支援システムの開発に取り組んでいる。平成27年度の取り組みは,本システムのひとつで自走式車いすの使用者が現在地から目的地まで安全で最適な経路を探索する「車いすナビゲーション・システム」の広域モデル開発手法の提案とその実証実験による検証に取り組んだ。 広域モデルでの探索経路は「車いす使用者の通りの評価」によって算出する。車いす使用者の評価とは,車いす使用者がまちなか活動をした際,回遊した通りについて,整備状況や安全性,使用したい通りかどうかなどの評価であり,スマートフォンなどのアプリ「通り評価アプリ」で通りの評価を行う。評価したデータはサーバーで蓄積され,評価結果に基づきナビゲーション・ルートを算出する。また,本手法の最終目標は,車いす使用者だけでなくまちなかを訪れた健常者も,車いすの使用者の立場として「通り評価」を行い,車いす使用者の評価と同様の結果を得ることである。 開発した「通り評価アプリ」を用いて2015年11月3日,車いす使用者5名を対象に93の通りすべての評価を実施した。また,健常者の実験については2015年11月1日,8名で行った。身障者支援システムについては,①対象地の建物,歩道,街路樹等のモデリング・テクスチャの追加,②経路探索の追加(健常者の通り評価,車いす使用者の通り評価),評価結果や同時に複数ルート表示機能を追加した。 2015年11月21日,2016年1月17日に通り評価結果と身障者支援システムの検証を目的としたワークショップを実施し,参加者である車いす使用者の議論,アンケートを通じてその有用性を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成27年度では,前年度精度向上を目的とした「詳細モデル」を基調とし,簡易的に対象地を広げる「広域モデル」の開発手法の提案と実証実験に取り組むことを目的とした。広域モデルの実証実験によって車いす使用者の通り評価データを蓄積し,まちづくりワークショップを実施,車いす使用者や介護者から一定の評価を得ることができた。また同時展開として国内の福祉のまちづくり組織を結成,そしてデンマークのコペンハーゲン大学との連携等,国際的な展開も進んでいる。本研究課題の計画に対して1年早く研究が進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
車いすナビゲーション・システムの詳細モデル,広域モデルはすでに開発と実証実験,ワークショップを通じた車いす使用者らの検証を終えた。今後はこれまで開発したデータの洗い直しと開発モデルのあるアルゴリズムの見直しを行う。また実用化に向けたロードマップを作成する。 また今年度は研究プロジェクトの国際連携強化としてコペンハーゲン大学(デンマーク)のGISチームと連携して,福祉のまちづくりの事例調査を実施する。
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Causes of Carryover |
財団からの研究助成金および学内の重点配布予算の採択により,科研費で当初計画していた予算を下回った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加調査における実験機器の消耗品等を購入する。
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