2015 Fiscal Year Research-status Report
キャリア・サバイバルの視点からみた保育者のキャリアアップについての研究
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26350051
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Research Institution | Utsunomiya Kyowa University |
Principal Investigator |
蟹江 教子 宇都宮共和大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50620522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室 雅子 椙山女学園大学, 教育学部, 准教授 (50329645)
牧野 カツコ 宇都宮共和大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70008035)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 保育士 / 幼稚園教諭 / キャリアアップ / 保育者の専門性 / 職場内/職場外研修 |
Outline of Annual Research Achievements |
少子化、核家族化、女性の社会進出、ひとり親家庭の増加などにより、家庭や地域の保育力、教育力は低下している。そのため、保育者に対するニーズも専門化、多様化しており、質の高い保育力を持った保育者を養成するために、効果的なキャリアアップの仕組みを整備する必要がある。そこで、本研究では、幼稚園や保育所における職場内研修(OJT)と職場外研修(Off-JT)の状況を把握したうえで、園サイドおよび保育者自身が求める知識や専門性とその獲得プロセスについて明らかにすることを目的とする。 2015年度は、以下の内容について調査研究を実施した。 ①保育者の教育や養成で実績のある幼稚園や保育所の園長・副園長を対象に、研修を行う目的や、園サイドの意図(園長等の視点からみた獲得を希望する技能や知識)、研修体制について、聞き取り調査を行った。 ②保育者を対象に、学校における学びの現場での有効性や、就職後に受けた職場内外での研修、これから獲得を希望する知識や技能について、聞き取り調査を行った。 初期段階の研修では、園内ルールの習得、子ども理解や日々の保育を行うための技術獲得が中心であったが、発達障害が疑われる子どもや家庭に困難を抱えている子どもへの対応など、必要に迫られた内容も見受けられた。園サイド、保育者ともに、職場内外での研修は必要だと考えているが、時間的に余裕がないこと、指導できる保育者の層が薄いことなど、幾つかの問題点も明らかになった。研修内容の充実とともに、物理的な環境を整備する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幼稚園、保育所、認定こども園の園長や副園長、保育者に対して聞き取り調査(本調査)を行った。聞き取り調査を予定していた園の中には、認定子ども園への移行を理由に断られたケースや、園行事等との関係で時期の変更を余儀なくされたケースもあったが、概ね予定通りに実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
幼稚園、保育所、認定こども園の園長や副園長、保育者を対象とした聞き取り調査を継続するとともに、業界団体や地方自治体にも保育者の教育支援体制について聞き取り調査を行う。保育者を対象としたアンケート調査も予定している。 これらの結果を報告書にまとめ、学会で報告する。
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Causes of Carryover |
最終年度にアンケート調査を行うため、トランスクリプトの作成は自ら行うなど、経費削減に努めたこと、学会発表を最終年度に変更したこと、などが主な理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
聞き取り調査の継続と、保育者(幼稚園、保育所等)を対象としたアンケート調査を行うための費用が主な支出である。報告書の作成、調査対象者へのフィードバック資料の作成と送付、研究会の開催、学会への参加も予定している。
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Research Products
(3 results)