2015 Fiscal Year Research-status Report
西洋から見る19世紀後半の日本と朝鮮の伝統服飾に関する比較研究
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26350077
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
鄭 銀志 県立広島大学, 人間文化学部, 准教授 (20398887)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 家政学 / 服飾文化 / 比較文化 / 国際情報交換 / 日本:朝鮮:アメリカ:イギリス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の研究を円滑に行ない発展させるため、アメリカの大学で海外研修(平成27年4月1日~9月15日)を行ない研究の成果を上げた。主な実績は以下のようである。 1)西洋から見る日本使節団の歴史服や民族服に関する調査・分析を行なった。2)西洋人が書いた日本見聞録から日本の伝統服飾や服飾文化に関する内容を抜粋し分析・考察を行なった。3)西洋の新聞(イギリスは1850年代から1890末、アメリカは1850年代から1875年まで)に記された日本の伝統服飾に関する記事を抜粋し分析・考察を行なった。以上の1)、2)、3)を網羅し比較考察を行ない、アメリカと日本で研究発表2回行なった上、研究論文を執筆・刊行した。4)平成26年度の研究テーマ「西洋人が認識した19世後半の朝鮮の伝統服飾に関する研究」に関する追加資料を収集し、分析・考察を行ない、審査論文「西洋人が認識した朝鮮時代末期の伝統服飾に関する研究―男女の日常服飾を中心に―」を学会誌に投稿した(2016年5月2日現在、査読中)。 以上の研究成果は本学の授業「比較文化論特論」、「比較文化論演習」の教育内容として還元しており、平成28年8月に行なわれる高大連携の授業で公開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究を遂行するに当たり、資料の選別・調査において、一部変更(当初、日本使節団の服飾に関しては、アメリカ、イギリス、フランスの新聞記事を分析する予定であったが、フランスとイギリス新聞記事は類似するものが多かったので、主にイギリスとアメリカの新聞資料を分析した)はあったが、概ね当初の研究計画に準じて研究を行なうことができた。 その中でも、1)日本使節団の服飾に関する調査、2)日本滞在の西洋人(主にアメリカ人、イギリス人)が認識した日本の伝統服飾に関する調査、3)西洋の新聞に記された日本の伝統服飾に関する調査、4)前年度の課題であった西洋から認識した朝鮮の伝統服飾に関する資料の追加調査で研究を完結することができたので、現在までの研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究を引き続き、平成28年度は以下の計画で研究を行なう。 1)平成27年度の追加研究として、西洋新聞(主に1876年~1890年末:平成28年2月に調査したもの)に見る日本の伝統服飾に関する研究成果を、国際服飾学術会議(平成28年8月)で口頭発表する。 2)去る2年間の研究成果を基盤とし、西洋人が見た19世紀後半の日本と朝鮮の服飾に関する比較考察を行なう。その際に平成26年度と27年度の調査対象になれなかった未知の史料群の調査が可能になることも予想されるので、その点も踏まえながら研究を進めていく。 3)19世紀後半の日本と朝鮮では相互の服飾文化についてどのように認識していたのかを、明治日本に派遣された朝鮮使節関係史料をはじめ、当時の日朝の文献・画像史料を調査・収集し、比較考察を加える。2)、3)に関連する研究成果は、日本の学会で発表する予定である。 4)研究成果をまとめ、最終報告書を作成、論文執筆を行なう。
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Research Products
(4 results)