2014 Fiscal Year Research-status Report
舌圧と体筋肉量および嚥下障害度を加味した総合的な新嚥下障害食の指標作成
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26350089
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| Research Institution | Yamagata University |
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Principal Investigator |
三原 法子 山形大学, 教育文化学部, 講師 (80533687)
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2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 舌圧 / テクスチャー / 嚥下調整食 / サルコペニア / 口腔機能 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
嚥下障害度の診断は医師等が、嚥下調整食の提供は管理栄養士が判断しているため、嚥下機能に適した食事が提供されているかどうかが問題となっている。アンケート調査（n=235）では、食形態と名称が統一されていなく、調整食分類2013の説明基準のみでは分類することが困難であり、数値化する必要があることが明らかとなった。そこで、病院間での統一性を図るために協力3病院の嚥下調整食（n=2,456）のテクスチャ－（硬さ、凝集性、付着性）を計測した結果、粘度剤の種類や割合が病院ごとに違うことから、全体的にテクスチャーにばらつきがみられ、特に調整食2-2では硬さが270~3500N/m2と最も幅広かった。75歳以上高齢者（n=47）を対象に飲み込み度を判断する舌圧を測定し、栄養状態および嚥下機能と嚥下調整食のテクスチャーとの関係を見ると、栄養指標は、嚥下指標と強い相関を示し、テクスチャーは、舌圧と栄養および嚥下指標と相関を示した。このことから、舌圧が嚥下調整食提供のための有力な指標となり得ることが示唆された。次に、サルコペニアが発症し、嚥下筋低下より嚥下障害となることから、サルコペニアの3判定法（BIA法、AWGS法、簡易法）と栄養および嚥下指標と比較した結果、サルコペニア判定は、栄養および嚥下機能を診る上で必要であること、そして、その判定法はAWGS法と簡易法が有用であることが明らかとなった。さらに、口腔指標である舌圧、咬合支持、残存歯数、衛生状態との関係を診ると、経口で咬合支持があり、衛生状態が良いと残存歯数が多く、舌圧も高くなり、誤嚥リスクが低下することが明らかとなった。そして、75歳以上の要介護高齢者の舌圧基準値は10.0kPaが有用であった。以上のことから、舌圧とサルコペニア判定および口腔指標は、テクスチャー、栄養および嚥下機能指標を推測する指標となり得ることが示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は協力施設において、
①医療機関における嚥下障害の診断方法と食事提供の実態調査。
②嚥下調整食を提供されている対象者の栄養状態（酸素飽和度・二酸化炭素、体筋肉量）、口腔機能（歯の有無、噛み合わせ、藤島グレード等）、舌圧測定、
③嚥下調整食の物性測定、等を行い、嚥下障害度の診断と対象者の栄養状態、嚥下調整食提供の実態を明らかにする。
であったが、平成27年度に行う予定の嚥下調整食別に、対象者を要支援1.2・要介護1～5に区分し、舌圧、酸素飽和度・二酸化炭素、歯の有無・噛み合わせ、体筋肉量等を比較し、嚥下調整食別の対象者の身体的特徴を明らかにする。までを行った。しかし、n数が47と少ないため、不足データの集積が必要である。
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| Strategy for Future Research Activity |
①平成26年度に行った嚥下調整食のテクスチャー:3指標、口腔機能8指標、嚥下機能：10指標、栄養状態：19指標、血液生化学値:17種類の計57種類の指標と血液生化学検査値を測定し、関係を検討した結果、テクスチャー、口腔機能、嚥下機能、栄養状態との関連性が高い指標のみとし、n数を増やす。
②嚥下調整食0tを提供している患者がSTの口腔内リハビリをしていたことで、舌圧が最も高い値となったことから、口腔内のリハビリ有無の関係を診る必要性がでできた。加えて、体幹のリハビリも診る必要がある。リハビリ有無群（各ST,OT,PT)に分類し、有群は、1～2か月の経過を診る（入院日数が1～2か月ぐらいのため）。
③決定した指標しテクスチャーを嚥下調整食分類2013に当てはめる。
④平成28年度前半に、決定した指標を協力病院、福祉施設等に導入し、嚥下調整食が嚥下機能に適しているかを検証する。
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