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2015 Fiscal Year Research-status Report

イカやタコなど頭足類の表皮中に含まれる赤色素の着色料としての実用化へ向けた研究

Research Project

Project/Area Number 26350116
Research InstitutionKyoritsu Women's University

Principal Investigator

伊藤 裕才  共立女子大学, 家政学部, 准教授 (40435706)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsオンモクローム
Outline of Annual Research Achievements

頭足類の表皮色素を比較するために、スルメイカ,ヤリイカ,ケンサキイカ,コウイカ,アオリイカ,マダコ,ミズダコを市場で購入し試料とした。各試料から採取し表皮をアセトンとメタノールで洗浄後,2%塩酸入りメタノール溶液に浸漬して色素を抽出した。7種からの表皮の抽出液は赤~赤紫色であり種間で差があった。特にヤリイカとアカイカは鮮やかな赤色を示した。各抽出液を逆相HPLC分析した結果,全ての試料で450nm近辺に極大吸収をもつ黄色色素のみが検出された。LC/MS分析の結果,分子関連イオンピークからこれらはオンモクローム類のxanthommatin,decaroboxyxanthommatinと推定された。Xanthommatin類は還元型で赤色,酸化型で黄色を呈する。そのため黄色の色素だけが検出された理由は、抽出時には還元型であったxanthommatin類が、HPLC分析における含水溶離液中で酸化型になったためと考えられた。実際に塩酸入りメタノールで抽出した液に水を添加すると、抽出液の色は赤色から黄色へと容易に変化した。また逆相条件では赤紫色素は溶出しなかった。これまで抽出試料のHPLC分析では、黄色色素しか検出できなかったが、その理由が解明された。またxanthommatin系色素は水系では容易に酸化されることが示された。続いてイオンペアHPLC分析を行った結果,黄色のxanthommatin類と共に複雑な組成の赤紫系の色素が溶出した。表皮色素の組成は各成分の量に差はあるが、成分のパターンは相似していた。未解明の赤紫色色素を単離すべく、スルメイカ表皮の抽出液に水を加えたのちイオン交換樹脂であるSP樹脂に負荷して分画した結果,xanthommatin類の黄色色素が酸性条件で溶出し,赤紫色色素がアルカリ条件で溶出した。この赤紫色素は構造未解明のommin類と考えられた。Ommin類は安定した赤紫色を呈するため着色料としての使用が期待できる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

各種頭足類の表皮を分析し、色素パターンが一定であることを発見し、さらに主要色素を同定することができた。

Strategy for Future Research Activity

未解明のままである赤紫色のOmmin色素について構造を解明したい。またスルメイカ表皮を部位別に抽出し、色素胞の色調の差異についても明らかにしたい。

Causes of Carryover

次年度に化学構造決定関係の物品費(機器購入等)の発生が予想されたため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

サンプル凍結器の購入を行う。

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Published: 2017-01-06  

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