2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26350159
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Research Institution | Jumonji University |
Principal Investigator |
名倉 秀子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (80189175)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 給食 / 品質管理 / 大量調理 / モデル献立 / 調理工程 / 栄養成分 |
Outline of Annual Research Achievements |
給食は食生活をする上でモデルの食事として提示され、生活習慣病等の予防のためにもなる。給食利用者に提供する栄養成分の表示について、レシピに基づく生材料の食品を日本標準食品成分表より得た栄養成分の合計である計算値と調理された給食を化学分析して得た実測値を比較し、その差の要因を生産・提供管理の視点から明らかにすることを目的としている。 平成27年度は給食の献立として主食(ご飯)、主菜(鶏肉のきのこあんかけ)副菜(もやしのお浸し)汁物(根菜類のみそ汁)を検討する事とした。さらに、主菜(さけのフライ せん切りキャベツ)や副菜(ひじきの煮物)を追加する事とした。 主菜について、鶏肉はスチームコンベクション加熱により肉が収縮して重量が70%となり、きのこあんかけでは洗浄による付着水率が64%となり、料理全体の仕上がりは87%の歩留まり率を示した。また、栄養量はエネルギー量、たんぱく質、脂質が計算値の±10%以内を示した。小麦粉・卵・生パン粉の衣付きのさけはフライヤーの揚げ加熱により重量が84%に仕上がり、せん切りキャベツでは洗浄により付着水率が23%あり、料理全体の仕上がりは91%の歩留まり率を示した。フライの衣は、小麦粉・卵・生パン粉の重量に標準化された値を得ることが困難ではあるが、3種の材料の合計割合は約30%となった。さけのフライ・せん切りキャベツの栄養量は、前者の鶏肉のきのこあんかけと同様の傾向を示した。主菜料理2種のミネラルやビタミン類については、変動があり、詳細な検討には至っていない。 副菜は、もやしの洗浄により付着水率が13%と示されたが、加熱、冷却により81~83%の歩留まり率を示し、加熱方法や冷却方法による歩留まり率の差は見られなかった。栄養量においても、計算値と調理後の実測値に大きな差はなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の遅れを取り戻し、モデル献立の料理について実験的な給食調理およびその栄養量のデータを得ることができた。さらに、主菜1料理(さけのフライ せん切りキャベツ)、副菜1料理(ひじきの煮物)を追加して、実験を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、実験で得られたデータを集計し、結果をまとめ、考察する過程で不足する追加実験を実施する。汁物では給食調理過程での標準化を得るまでに、データが不足しており、数回実験が必要となり、追加実験を実施する。 以上の不足データを確認した上で、適切な学会誌等にて発表することに取り掛かる。
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Causes of Carryover |
当初の計画どおりに進んでいるが、給食調理過程の標準化をするための実験の回数が少ない料理があった。給食のような大量の調理について、実験では補助者が必要となるが、その確保が困難であった。そのために、材料費や人件費において次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加実験を今夏に実施する計画であり、材料費や人件費等に使用する予定である。 さらに、学会発表等の旅費および論文の投稿費等に使用予定である。
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