2014 Fiscal Year Research-status Report
高アミロース玄米の湿熱処理による食後血糖値上昇の穏やかな米と災害用非常食の開発
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26350174
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
菅原 正義 長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (30259840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 寿子 長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (20600018)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | デンプン / 米 / グリセミックインデックス |
Outline of Annual Research Achievements |
食後血糖値の上昇しにくい低GI米を、湿熱処理技術を用いて開発することを目的として研究を実施している。供試米としてコシヒカリ、高アミロース米、有色素米を使用し、ヌカ中に含まれる脂質や脂肪酸が湿熱処理時にデンプン複合体を形成して難消化性が向上することを期待し、玄米に種々の条件で湿熱処理を行った。その結果、玄米湿熱処理によって、食物繊維含量・難消化性デンプン含量が増加し、in vitroにおけるα-アミラーゼデンプン分解速度の低下が認められた。また、湿熱処理後に後精米した白米中には、ヌカ中に含まれるポリフェノールを中心とした抗酸化成分の移行が確認された。抗酸化成分の胚乳移行が確認されたため、脂溶性ビタミン・水溶性ビタミン・オリザノールなどの移行に及ぼす湿熱処理条件を検討中である。 この湿熱処理米を炊飯し乾燥・粉砕して、食後血糖値応答と脂質代謝への影響を調べる目的で、ラットを対象とした動物実験を実施する予定であったが、平成26年10月に湿熱処理装置が故障(ボイラー故障)し、試料調製が遅延したため動物実験の実施はできなかった。現在、試料調製が終了した段階で、動物実験は平成27年度に実施する予定である。 今年度、長岡高専現有のLC/MS/MS用の代謝産物分析メソッドパッケージを購入し、動物実験におけるメタボローム解析実施に向けて測定条件の確立を行い、実施体制を確立することができた。また、自動血液生化学分析装置を利用し、臓器中の代謝関連酵素活性の網羅的測定を目指して、活性測定条件を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
米の湿熱処理装置のボイラー故障により、動物実験向けの湿熱処理米試料調製が遅延したため、動物実験を実施することができなかった。現在は修理後、試料調製も終了しており、27年度6月に実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
実施の遅れている動物実験の実施、メタボローム解析・酵素活性測定を実施する。結果によりDNAアレイによる遺伝子発現を検討する。 玄米の湿熱処理によるヌカ中機能性成分の胚乳移行について、湿熱処理条件との関係を検討する。
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Causes of Carryover |
湿熱処理装置のボイラー故障により試料調製が遅れ、動物実験の実施ができなくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年6月に未実施の動物実験を実施しするため使用する。平成27年請求分の予算は、申請時研究計画の平成27年度分の研究遂行のため使用する予定。
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Research Products
(6 results)