2015 Fiscal Year Research-status Report
理工系講義形式授業におけるパラダイム転換を促す教員支援プログラム開発
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26350197
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
榊原 暢久 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (30235139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 博 徳島大学, 学内共同利用施設等, 講師 (80619908)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高等教育開発 / FD / 理工系 / 講義形式授業 / パラダイム転換 / 教員支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
大学教育の実質化を語る上では、「何を教えるか」よりも「何が出来るようになるか」、「どのように自ら学ぶか」という講義における主体に関する考え方の転換が必要である。知識量を増やすだけでなく、自ら学びながら理解し、論理的考察を構築し、それらを説明 出来る学生を育成するためには、従来の講義形式ではない、協同学習的要素を取り入れた高い活動性や、質問と応答を繰り返すような高い双方向性をもつ講義を実施することが求められる。 本研究の課題1として、学生が題材を理解していく過程や問題点に関する経験知を効果的に増強し、結果として講義の双方向性を高める講義ツールの効果検証を実施した。特にラーニングポートフォリオ、問題作成レポートを取り上げた。問題作成レポートとラーニングポートフォリオを作成することで学生の学びが深化することが見て取れる。これらを用いた双方向型講義が有効であることを、学生の成績や学生アンケート、各学生のコメントを追跡することにより明らかにし、査読付き論文として投稿した。 課題2として、比較的経験知の少ない教員集団への教育改善に向けた教員支援として、課題1で取り上げたツールを学内外で紹介・提案するWSプログラムを開発した。このプログラムが有効であることが参加教員からのアンケートにより見て取れるので、参加教員の追跡調査により有効性を明らかにすることを今後の展開としている。また、このプログラムの開発過程において、授業設計に関する専門書を共同で執筆した。 課題3として、学生が題材を理解していく過程や問題点に関する経験知を前提とした上で、協同学習的要素を取り入れた講義のパイロット版を開発中であり、上記のWSプログラムにもその知見を反映させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の課題は以下の3点である。 (1)学生が題材を理解していく過程や問題点に関する経験知を効果的に増強し、結果として講義の双方向性を高める講義ツールの効果検証、 (2)比較的経験知の少ない教員集団への教育改善に向けた教員支援として、課題1で取り上げたツールを学内外で紹介・提案するWSプログラム開発と効果検証、 (3)学生が題材を理解していく過程や問題点に関する経験知を前提とした上で、協同学習的要素を取り入れた講義のパイロット版開発。 (1)についてはその有効性について明らかにする査読付き論文を投稿中である。(2)については、講義ツールおよびWSプログラムの開発を終え、効果検証中である。また、プログラム開発過程において、WS参加者への支援策の1つとなる授業設計に関する専門書を共同で執筆した。(3)についてはパイロット版を開発中であり、上記のWSプログラムにもその知見を反映させる。これらの理由により、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記課題(2)、(3)に関して、以下の方策により推進する。 (3)で得た知見を、(2)で開発中のWSプログラムに反映し改訂するとともに、このプログラムが有効であることが参加教員からのアンケートおよび追跡調査により有効性を明らかにする。また、(3)に関して、協同学習的要素を取り入れた講義のパイロット版を開発、実施する。この講義の有効性に関する検証過程において、教員支援プログラムSCOTを利用する。
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Causes of Carryover |
榊原については、年度末にせまってからの出張があり、年度を超えて支払い手続きをする都合上、次年度使用という形をとった。 吉田が担当するのは主に課題2であるが、本申請課題によって開発したWSプログラムを実施する際には、主催大学等から旅費支出があり旅費を必要としなかった。また、研究資料等についても、今年度については既存資料によりまかなうことができたため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度開発したWSプログラムを改訂するため、関連する民間研修を受講する。このために、旅費および研修参加費用を支出する。また、研修プログラム開発のために新刊の文献資料を購入する。
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Research Products
(6 results)
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[Book] 授業設計2016
Author(s)
中島英博、榊原暢久、小林忠資、稲垣忠
Total Pages
印刷中
Publisher
玉川大学出版部