2014 Fiscal Year Research-status Report
カルスト地形のデータベース作成と地球科学教育への活用
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26350240
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| Research Institution | University of the Ryukyus |
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Principal Investigator |
尾方 隆幸 琉球大学, 教育学部, 准教授 (50548287)
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2014-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 地球科学 / カルスト地形 / 石灰岩 / 風化 / GIS / アウトリーチ / ジオパーク / 南西諸島 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
カルスト地形に関する地球科学的な情報をGISで整理・統合したデータベースを作成し，それを総合的な地球科学教育に活用する最終目的に向けて，研究室の環境整備に着手するとともに，資料収集と野外調査を実施した。
1. 資料収集：カルスト地形に関する国内外の文献・資料・情報を幅広く収集し，南西諸島のカルスト地形に対する地球科学的な知見を整理した。その結果，南西諸島に形成されているカルスト地形のタイプと，それぞれのタイプの地理的な分布については，基本的な情報が整った。ただし，南西諸島の円錐カルストと海成段丘に関しては，先行研究にみられる気候地形学的な知見に多くの課題があり，野外調査に基づく詳しい再検討を要することが判明した。
2. 野外調査：琉球諸島において地形と堆積物の調査を行い，カルスト地形に関する情報を取得・整理した。さらに，前述した気候地形学的な再検討が必要になったため，熱帯に特有のカルスト地形が形成されている海外においても野外調査を実施し，南西諸島のカルスト地形との比較を試みた。
3. 成果の公表（学界）：日本地球惑星科学連合2014年大会の教育・アウトリーチセッションおよび領域外・複数領域セッションで口頭発表を行い，本研究を紹介するとともに，様々な分野の地球科学研究者と議論した。大会での議論を踏まえ，地学雑誌124巻1号の論説・口絵において，南西諸島のカルスト地形とその教育的活用の事例を論じた。
4. 成果の公表（社会）：南大東村からの依頼により，鍾乳洞を地球科学的に解説するツーリスト向けのアプリを作成した。また，与那国町からの依頼で，カルスト地形を含む自然景観を解説する講演とジオツアーを開催した。これらのアウトリーチ活動を通して，既に2014年度の研究成果を社会に還元しつつある。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2014年度に計画していた琉球諸島での資料収集と野外調査は，当初の計画以上に進展した。ただし，先行研究の検討の結果，カルスト地形に関する気候地形学的な解釈に課題があることが判明し，学術的に裏づけられたデータベースを作成するためには予想以上の野外調査が求められることになった。とりわけ「南西諸島には熱帯および亜熱帯に特有の地形が分布する」と解釈されてきたこれまでの知見をグローバルな視点から見直す必要性が生じ，その検証作業にも着手することになったため，GISを用いたデータベース化はやや遅れている。一方で，この検証作業は本研究に地形学的な新知見を付加するものであり，それによって本研究が重層的になり，研究そのものの意義はより高まったといえる。
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| Strategy for Future Research Activity |
2015年度には，薩南諸島での資料収集と野外調査を計画通りに進めるとともに，GISを用いたデータベース化を早急に進める。あわせて，データベースの学術性をより高めるために，気候地形学的な再検討も継続する。これまでの成果については，日本地球惑星科学連合2015年大会の地球人間圏科学セッション（英語）および領域外・複数領域セッション（日本語）で発表し，国内外の地球科学研究者と議論する。さらには将来的なデータベースの活用に向けて，教育やアウトリーチの専門家との情報交換も図る。
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| Causes of Carryover |
GISを用いたデータベース化がやや遅れており，それに関する物品費および人件費・謝金が余ったことが大きい。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費および野外調査の旅費への充当を検討している。
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Research Products
(6 results)
