2014 Fiscal Year Research-status Report
医薬品情報に関する非専門家のニーズと専門家による提供情報のギャップの分析
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26350263
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Research Institution | National Institute of Science and Technology Policy |
Principal Investigator |
伊藤 裕子 文部科学省科学技術・学術政策研究所, SciSIP室, 室長 (20360711)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | データ分析 / インターネット調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、(1)先行事例の調査分析及び(2)専門家及び非専門家を対象にしたインターネット調査を実施した。(1)先行事例の調査分析:文献調査において、医療分野だけでなく、環境・防災・土木等の多くの分野で「人々が知りたいことを専門家が把握できていない状態」であることが示された。また、医師は患者の医療用語の認知度を高く見積もる傾向(吉田他,日本衛生学雑誌,68(2), 126-137, 2013)がある一方で、「健康に関する世論調査(NHK放送文化研究所, 2009)」及び「健康に関する情報収集に関するアンケート調査(MyVoice , 2013)」等の調査より、非専門家は専門家の発する情報に高い信頼を置いていることが示された。このことから、専門家と非専門家は互いをやや過剰に信頼するあまり、互いの理解の程度を確認し合うことをしていない/思いつかない状態であることが示唆された。また、「薬育及び薬の適正使用に関するアンケート調査(大分県南部保健所, 2013)」において、医療従事者と一般の回答者で回答傾向に違いがあることが示された。これらの先行事例から専門家と非専門家の間には“認識上で”ギャップが存在することが示され、ギャップの要因として「相互の過剰な信頼(非専門家の専門性への畏怖、専門家の非専門性への尊重)」・「視座の違い」が考えられた。(2)インターネット調査:(1)で得られたギャップについて医薬品情報でも同様なことが言えるのか検証するために、インターネット調査を実施(2014年11月)し、専門家(医療従事者)110名を含む1090名の回答を得た。専門家と非専門家の回答傾向を比較分析したところ同様なギャップが観察され、現在、詳細な分析を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に実施を予定していた海外のインタビュー調査は実施できなかったが、先行事例の調査分析及びインターネット調査の実施により、仮説「非専門家が得たいと思っている医薬品情報と専門家が提供している知識情報の間にギャップがあること」が支持される十分なエビデンスが得られた。インタビュー調査は平成27年度において実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度以降は、平成26年度の調査研究で得られた成果を基にして、専門家と非専門家の間のギャップの本質を明らかにする目的で深堀の調査研究を実施する。また、平成26年度に予定していたインタビュー調査は、平成27年度に実施予定の深堀調査に関連して行う。さらに、平成27年度以降は、ギャップの解消に資すると考えられる専門家と非専門家の間の効率的な対話や自己学習モデルの構築を目指す。
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Causes of Carryover |
今年度に実施を予定していた海外のインタビュー調査は実施できなかったこと、インターネット調査においてデータ入力等の人件費・謝金が生じなかったこと、の2つが理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度には、今年度の調査研究で得られた成果を基にして、専門家と非専門家の間のギャップの本質を明らかにする目的で深堀の調査研究を実施する。その中で、今年度実施予定であった海外インタビュー調査を実施し、海外における専門家と非専門家の間のギャップの状況について調査する。
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Research Products
(1 results)