2014 Fiscal Year Research-status Report
社会科学系学部における効果的なITプロジェクトマネジメント教育手法の開発
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26350298
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
木下 和也 中村学園大学, 流通科学部, 准教授 (90308825)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プロジェクトマネジメント / ドリル型CAI / プログラム学習 / 行動主義 / 構成主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、プロジェクトマネジメントの知識やスキルを理解し習得するための学習環境を作ることにある。 当該年度においては、プロジェクトマネジメントに関する企業での成功例と失敗例を収集し、この事例を練習問題という形に置き換える作業を始めた。実際のソフトウェアの開発現場では、さまざまな事例が報告されているが、それをそのまま練習問題として扱うことは、企業秘密という観点からはもちろんのこと、あまりに複雑な要因が絡んでいるため、そのままでは練習問題として転用することは難しい。そこで現実に即した内容でありながら、プロジェクトマネジメントを理解するための練習問題として使える状態に変換することを心掛けた。 また、この練習問題をドリル型CAIとして活用するためのWebシステムのパイロット版も構築し始めた。このシステムは、汎用的な学習システムであり、本研究の対象となるプロジェクトマネジメント以外にも、大学で行われている授業の演習問題を使ったプログラム学習にも活用できる。プロジェクトマネジメントは複数の領域から構成されるマネジメントの知識であるから、複数の教員でプロジェクトマネジメントに関係のある専門分野の問題を作成してもらい、より多くの練習問題を共同で作り上げることもできる。プロジェクトの進捗に欠かすことができない予実管理などについては、会計学を専門とする教員にも援助してもらう形で問題収集を始めている。同様にマネジメント分野の教員に協力を依頼することができる。 今後は、このパイロット版のシステムを改良して、プロジェクトマネジメントの知識を単純に暗記するような教材ではなく、体験型の教材開発を目指す予定である。また、学習スタイルを現時点の行動主義的なものから構成主義的なものへと拡張していくための研究につなげる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終的な成果物は学習環境を開発することである。そのためには、単純に言えば、練習問題とそれを活用するシステムが必要である。 当該年度は、文献や企業インタビューにより、練習問題に相当する情報収集とそれを活用するためのシステムの構想をまとめることである。この情報収集については、問題なく行われており、現時点で、システムを設計するためのサンプルとして十分な情報量が集まっていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
学習環境を実現するためのシステムの設計に入る。 協力者である企業や技術者との連携により、現在のパイロット版のシステムを改良し、目的とするシステムにより近いものを用いて実験的に学生に学習させ、その効果を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
上限52万円に合わせて使用してきたため、この金額約2千円は誤差の範囲であると考えております。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
金額の大きさから考えて、出張交通費、または、書籍費として使用する予定です。
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