2016 Fiscal Year Research-status Report
子育て期の女性のための中長期的キャリア形成支援プログラムの開発と評価
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26350338
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Research Institution | The SANNO Institute of manegement |
Principal Investigator |
荒木 淳子 産業能率大学, 情報マネジメント学部, 准教授 (50447455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 朝美 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 講師 (70568724)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 子育て期女性 / キャリア / アイデンティティ / デジタルストーリーテリング / 仕事と家庭の相互充実 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は子育ての期の働く女性を対象に、仕事と家庭の両立を支援するためデジタルストーリーテリング(DST)を用いた1日のワークショップを実施し、その効果測定を行った。ワークショップは平成28年9月、12月、平成29年3月の3度にわたり実施し、それぞれ7名、10名、10名の合計27名の参加者を得た。 子どもを出産した後は仕事に関わるアイデンティティに新たに母親としてのアイデンティティが加わるため、子育て期の働く女性には両方のアイデンティティを調整していく過程が必要であるとの研究に基づき、ワークショップはその調整過程を支援することを目的とした。具体的には未来の子どもに向けて、働く自分について語るDST作品を作成し、鑑賞し合うものである。ワークショップでは作品作りに向けて、まず参加者間で仕事と家庭の両立に関する苦労や葛藤を吐露し合い、共有した。その上で先輩女性の話やペアワークを手掛かりに、仕事と家庭の両立の仕方について考えてもらい、未来の子どもに向けたメッセージを参加者全員で共有する時間を持った。参加者たちは葛藤や悩みを語り、外化することで、最終的には子どもたちにポジティブなメッセージを込めた作品を作っていった。最後に作品を全員で鑑賞し、ワークショップを終えた。 ワークショップでは事前と事後で、参加者のキャリア意識がどう変化したかを測定した。具体的には仕事と家庭の相互充実に関するスピルオーバー尺度を用いた。事前事後のアンケート結果を分析したところ、事後に否定的なスピルオーバーが有意に下がった。また、将来に対する希望を尋ねた時間的展望尺度についても、ワークショップの事後、有意に向上した。 このほか、参加者が作った作品をルーブリックを用いて評価した結果、ほとんどの作品が現状を受け入れた上で、今後の自分の仕事と家庭との両立を肯定的に語っていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
企業に対する調査は、協力企業が繁忙期であり時間が十分に取れないため、調査の実施を延期した。現在質問紙を作成中であり、5月中に質問紙完成、6月に調査の実施とデータ回収を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
6月に調査を実施し、データを回収した後はデータの内容を分析し、論文にまとめる予定である。論文は、11月の経営行動科学学会全国大会にて発表し、その後論文化する予定である。
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Causes of Carryover |
企業調査を行う理由であった調査協力企業が業務繁忙のため、当初の補助事業期間の最終年度内に調査を実施することができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に調査を延期した。現在質問紙を作成中であり、5月に質問紙完成、6月中に調査の実施、データ回収を行う予定である。
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