2016 Fiscal Year Research-status Report
超音波エネルギーが細菌のバイオフィルム形成に及ぼす影響の研究
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26350543
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
鯉渕 晴美 自治医科大学, 医学部, 講師 (20382848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 康友 京都大学, 医学研究科, 教授 (00337338)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バイオフィルム / 超音波 / 表皮ブドウ球菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究実績報告で、バイオフィルムへの超音波照射強度は「5W/cm2と2.5W/cm2で行った」とした。しかし、成果発表のための論文投稿の際、査読者から「超音波強度測定が不正確」との指摘があった。したがって、これまで使用してきた超音波照射機器の正確な超音波強度を東京農工大学の協力のもと同大学で行った。その結果、これまでの実験での超音波強度は1.66mW/cm2との結果を得た。これは過去に報告されてきた実験よりも弱い超音波強度である。このことより弱い超音波照射強度でも、長時間(本研究では24時間)照射すればバイオフィルムの量は減少することがわかった。 我々がこれまで使用してきた超音波照射システムでは正確な超音波照射強度を測定するために上記の通り他施設の協力と大がかりなシステムが必要である。したがって研究継続のために容易に超音波強度が測定できる、新たな超音波照射システムが必要となる。そこで当該年度後半はサウンドセルインキュベータドライブ装置(MU研究所製)を用いて、バイオフィルムへの超音波照射を行った。それによっても超音波照射によってバイオフィルムの量が減少する可能性が示唆された。 また当該年度は、バイオフィルムの作成について、自治医科大学細菌学教室の助言をえ、より効率的なバイオフィルム作成方法を学んだ。 次年度はこのサウンドセルインキュベータドライブ装置を用いて、当該年度より多くのデータを得、超音波照射によってバイオフィルム量が減少することを確認し、更に超音波照射によってバイオフィルムの形成を阻害する方法を確立していく予定である。また、超音波照射によって、バイオフィルム形成のどの段階が阻害されるのかも検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今まで使用してきた超音波照射システムは我々の施設では正確な超音波照射強度を測定することが困難であるため、東京農工大の協力を得て測定をすることがあらたに必要となった。 また上記の通りこれまで使用してきて超音波照射システムは使用不可となり、実験を進めることが困難となった。あらたな超音波照射システムの手配に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
あらたな超音波照射システム(サウンドセルインキュベータドライブ装置, MU研究所製)を用いて、超音波照射によってバイオフィルム量が減少することを確認する。 更に、超音波照射によるバイオフィルム形成阻害方法について確立する。また、超音波照射によって、バイオフィルム形成のどこの段階を阻害しているのかを検討する。
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Causes of Carryover |
これまで使用してきた超音波照射システムの正確な超音波強度を測定するために時間を要し、更に事実上このシステムを継続して使用することが困難となった。当該年度は実験室の大規模な移転があった。これらの理由より一時期実験が遂行できなくなった。 また、動物実験の施行が困難となったため、動物購入費などとして計上していた金額が削減された。 以上の理由より、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後あらたな超音波照射システムを使用し、バイオフィルムに対して超音波照射を行う予定である。生じた次年度使用額はこれに使用する予定である。
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Research Products
(1 results)