2014 Fiscal Year Research-status Report
慢性心不全における血清ミオスタチンの意義と骨格筋萎縮に関する運動療法介入研究
Project/Area Number |
26350590
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 豪 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (10349764)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 血清ミオスタチン / 血清BDNF / 慢性心不全 / 骨格筋萎縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性心不全における心臓リハビリテーションは確立したエビデンスがあるが、骨格筋萎縮や中等度から重症心不全における運動処方や運動強度の推奨値は未だ不明な点が多い。本研究では先行研究から中等度以上の慢性心不全患者に対する運動療法では高強度トレーニング限界があることから、低強度レジスタンストレーニングの有効性を血清マーカーと筋量測定値から検証するものである。 ハビリテーションの適応がある慢性心不全症例に対して運動耐容能、DEXA法による四肢骨格筋量測定採血(血清ミオスタイン値,血清BDNF値、血清サイトカインIL-1,IL-6,TGF-β)を施行した。このうち血清BDNFは精神疾患において脳内組織での低下がみられると報告が多い神経栄養因子の一つであるが、同時に骨格筋での末梢における産生も報告されている。先行研究では運動耐容能と血清BDNF値には正の相関関係があるとする国内研究もある。今回の研究データのうち2014年のデータより、血清BDNFと心肺運動負荷試験(CPX)における運動耐容能指標Peak VO2 について14例について検討したところ、Peak VO2 と血清BDNFには有意な相関関係を認めなかったが、換気指標であるVE/VCO2 slopeと有意な負の相関を認めた。先行研究では血清BDNFは心不全重症度との関連を示唆するものも報告されており、骨格筋を含めた運動耐容能や換気異常とBDNFの関連を示唆するものとして有用である可能性がある。現在症例数を増やし検討を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在約50例に対して血清採血を行いサイトカイン、ミオスタチン値を集計した。 しかし適切な運動処方にもとずく介入後の再評価が未実施であり、本年度は運動耐容能と筋肉量、また運動耐容能(PeakVO2)のみでなく近年報告のあるBDNFとCPXにおけるVE/VCO2の関連についても明らかにする予定ある。本解題は先行する若手Bからの継続課題でもあり、基盤Cでの残り年度で介入について検討する。平成27年4月院内倫理委員会にリハビリ介入前向き試験の申請を行い受理された。
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Strategy for Future Research Activity |
倫理委員会受理後、介入についての前後比較をこれまでの約50例の血清値とともに変化について検討を行う。本年度は在宅リハビリでの検討を行う予定である. 介入前の採血および運動耐容能試験および筋量測定を行い、退院後1カ月および2カ月での評価を行い8週間での評価のみを行うものとする。
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Causes of Carryover |
前向き介入試験の実施が遅延したことが大きい。倫理申請が受理されたため介入試験として平成27年度から開始を行う。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
介入期間は8週間と短期間で設定をしたため採血は1名につき2回実施ほか筋量測定で費用支出の予定がある。本介入試験が終了しだい、通常の監視型心臓リハビリテーションを導入されたケースについて同じ8週の期間での介入前後評価を同様に施行する予定である。
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