2014 Fiscal Year Research-status Report
在宅呼吸不全患者に対する身体活動量を高めるための新戦略
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26350598
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
玉木 彰 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 教授 (70269851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 俊朗 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 講師 (30709340)
長谷川 聡 京都大学, 医学研究科, 助教 (40637708)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 筋電気刺激 / 筋力トレーニング / 刺激頻度 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、在宅呼吸不全患者に対する電気刺激による筋力トレーニングの有効性を検証し、さらにトレーニング効果を出すために必要な最低頻度(最低週に何回の電気刺激が必要か)に関する基礎研究を健常成人を対象に実施した。また筋力低下が著しい対麻痺患者に対し、電気刺激を実施することで筋萎縮が抑制出来るかどうかの検討も実施した。 健常成人男女21名を週に1回電気刺激を実施する群(週1群)、週3回電気刺激を実施する群(週3群)、週5回電気刺激を実施する群(週5群)にそれぞれ無作為に3群(7名ずつ)に分け、ベースラインとして膝伸展筋力、大腿四頭筋筋厚、下腿三頭筋筋厚、心肺運動負荷試験による最高仕事量、最高酸素摂取量などを測定し、電気刺激を6週間実施後に同様の測定をして筋電気刺激によるトレーニング前後で比較検討した。その結果、週5群が筋力トレーニングとしては最も有効であるが、週3群にもトレーニング効果が認められ、週1群は有意なトレーニング効果が認められなかった。以上より、筋電気刺激による筋力トレーニングの効果を得るためには、最低でも週3回実施することが必要であることが明らかとなった。 また、悪性リンパ腫による対麻痺患者に対し、化学療法中の筋萎縮を予防する目的で筋電気刺激を週6回、3週間実施した。その結果、化学療法中においても特に有害事象はなく、筋電気刺激が可能であり、また筋萎縮の予防効果が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度では、在宅呼吸不全患者が筋電気刺激を実施する際、最低で週何回実施したらよいかという、刺激頻度についての基礎研究を実施することが目標であった。 これについては、健常成人を対象とした研究において、週3回実施することで、筋力や筋厚の改善効果が認められることが明らかとなり、この結果は今後の研究の基準となる。このように、平成26年度の研究計画については、おおむね順調であると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に実施してきた研究は、健常成人を対象とした基礎研究と、対麻痺患者を対象とした、症例研究であった。 したがって平成27年度は対象を入院または外来にてリハビリテーションを実施している慢性呼吸不全患者とし、在宅で実施するための基礎データを収集することを目的としている。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、健常成人を対象とした基礎研究を実施したため、購入を予定していたポータブルの筋電気刺激装置(消耗品)の数を当初予定の半数の購入にとどめ、次年度に回すこととした。また当初予定していた研究補助員に対する人件費も必要なかったため、次年度に使用することとしたため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、平成26年度に購入しなかったポータブル電気刺激装置(消耗品)を購入し、研究計画を遂行する予定である。また平成27年度は研究補助員を雇用し、データ入力等を実施してもらう計画である。これらの費用に充当する予定である。
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Research Products
(2 results)