2015 Fiscal Year Research-status Report
在宅呼吸不全患者に対する身体活動量を高めるための新戦略
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26350598
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
玉木 彰 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 教授 (70269851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 俊朗 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 講師 (30709340)
長谷川 聡 京都大学, 医学研究科, 助教 (40637708) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 筋電気刺激 / 筋力トレーニング / 慢性閉塞性肺疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、前年度に確認した筋電気刺激による頻度別の効果を基に、実際に入院または外来通院中の慢性呼吸不全患者(主に慢性閉塞性肺疾患患者)数名に対して実施し、その効果を確認するパイロットスタディを行った。 入院中および外来にて呼吸リハビリテーションを実施している3名の慢性閉塞性肺疾患患者に対し、通常の呼吸リハビリテーションプログラム(コンディショニング、胸郭可動域練習、下肢筋力トレーニング、持久力トレーニング)に加え、筋電気刺激を腰部から大腿部、下腿部周囲にかけて20分間実施し、6週間のプログラム前後において呼吸困難の程度(MRC息切れスケール)、等尺性膝伸展筋力、6分間歩行距離、大腿四頭筋筋厚(大腿直筋、中間広筋)を比較検討した。さらにプログラム期間中における1週間の身体活動量を活動量計を日中装着してもらい、前半および後半において比較した。 その結果、筋電気刺激を加えた6週間の呼吸リハビリテーションプログラムによって呼吸困難感は大きな改善は認められなかったものの、等尺性膝伸展筋力、6分間歩行距離、大腿四頭筋筋厚は有意な増加が認められた。 また身体活動量についても、プログラム前後において増加が認められた。 さらに身体機能の改善が大きい症例は、日常生活における身体活動量が高いことも明らかとなった。 以上のことから、筋電気刺激を加えた呼吸リハビリテーションプログラムは在宅での身体活動量を増加させる可能性が示唆され、これによって身体機能の改善が得られるものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、入院または外来にてリハビリテーションを実施している慢性呼吸不全患者を対象とし、在宅で実施するための基礎データの収集を目的としていた。 これについては、症例数は若干少なかったものの、筋電気刺激を含めた呼吸リハビリテーションの効果と身体活動量に及ぼす影響について確認できたため、おおむね順調であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は本研究課題の最終年度となるため、さらに対象とする慢性呼吸不全患者数を増やし、実際のプログラムの効果を明確にすることで、筋電気刺激を用いた在宅呼吸リハビリテーションプログラムの確立を目指す予定である。
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していた物品の費用が安く購入できたことや、人件費・謝金が生じなかったため、それらの残金を次年度に使用することとした。そのため未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は研究補助員を雇用し、データ入力等を実施してもらう予定である。 また研究に必要な電極ベルトなどの購入や論文校正費などにも支出予定である。 これらの費用に充当する予定である。
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Research Products
(4 results)