2015 Fiscal Year Research-status Report
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26350600
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
角田 晃一 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 人工臓器・機器開発研究部, 部長 (30197751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関本 荘太郎 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (00010059)
伊藤 憲治 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (80010106)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 失声症 / 左右脳機能 / 角田理論 / 日本語 / 中枢調節 / 赤外線トポグラム / 特異性 / 機能的MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、萌芽研究により過去4年間にわたり、機能的MRI(f MRI)を用いて発声における中枢の変化について解明してきた。実際の臨床に際して、f MRIを用いて患者の診断機器として使用するには煩雑であった。そこで、より簡易かつ低侵襲の機器として光トポの2chのものを用いて左右の脳の比較を行い左右の脳の優位性等臨床的に代用を試みた。しかしながら、前頭葉の一部のみを比較するにとどまり、側頭葉の実際の発話に関する部位の左右差を同時に測定するのには不十分であった。 今回多チャンネルの本研究専用の光トポが購入できたため、これまでのf MRI、赤外線トポなど生理学的データと比較し更なる解明を行う。会話における聴覚・発声の左右脳機能の特性を解明し、臨床における機能性発声障害の分類、治療効果判定法を解明する。 平成27年の一年間は、新規購入の22chでの機器による検証を踏まえて、1.機器の整備、分析プログラムの作成、2.これまでの実験タスクと2ch機器との整合性の検証を行いデータを50例で検証した。 しかしながら、孤立した防音室内での測定の為、被験者の実験中のタスク施工の確認のためのモニタリングが必要となり、3.研究環境の整備(具体的には防音室内の外部からのモニター設備開発と改造を行った。)4.現在実際の研究施工にあたっての2015年4月からの倫理指標改革に伴ってそれに則した新たなる倫理員会での審査書類を提出、2015年7月に審査が承認された。これまでの研究成果は Acta Otolaryngol.に受理され間もなく出版される。 本年度は、22chでの研究機器で更なる検証を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は2chから22chに機器変更に当たり、その比較検証34例を行った。その結果、1. 実験プログラムタスクの正確な施工の為に、実験中の被験者の多角的視覚モニターとタスクの指令の為の情報発信装置が必要となり、その機器を開発した。2. 2015年倫理指標見直しに向けての新規倫理委員会へ再提出書類を作成、同年7月に承認された。その後、分析プログラムの開発を行うと同時に、症例を50例に増やしその症例をもとにに国内学会で発表、最終的に2chデータを英文誌に投稿し受理された。(Tsunoda K, Sekimoto S, Itoh K. Near-infrared-spectroscopic study on processingof sounds in the brain; a comparison between native and non-native speakers ofJapanese. Acta Otolaryngol. 2016 Feb 15:1-7.In Press)
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で有効性と再現性が実証された22ch光トポグラムを用いて、分析プログラムの検証を行う。 同時に、検証を終了したタスク施行の為の実験装置を用いて以下の項目の検証を行う。 1. 本年度は、日本語で育った日本人50名以上と日本語以外の言語環境で育った非日本人50名以上を比較し会話、母音、ホワイトノイズ、楽器、自然音などを被験者に聴取させ脳活動を行う。 2. 実際の失声患者の脳活動と、咽頭内視鏡所見、音響分析を治験前後に行い比較する。
上記のデータをまとめ、心因性発声障害における音声訓練リハビリテーション介入の可否の診断、リハビリテーションの治療効果判定、脳外科や頭頸部外科での頸動脈の遮断術における、術前における言語中枢の左右局在同定など、臨床的への応用の可能性を提案する。
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Causes of Carryover |
実験整備機器開発に時間がかかり、実験そのものの施行が予定どうり施行できなかった。その分初年度の論文発表を前倒しで可能な分を行った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験を多く施行して論文発表を行う。このため実験助手、被験者謝金をまとめて使用予定。更に学会発表、論文掲載費に使用。
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Research Products
(11 results)