体力が低い子どもに焦点を当てた身体活動促進啓発についての実践研究

2017 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26350695
• Research Institution: Okayama University
• Principal Investigator: 足立 稔 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (70271054)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 吉武 裕 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 教授 (00136334) [Withdrawn]
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: 子ども / 身体活動 / 持久走 / 体力 / 身体的・精神的・社会的特徴 / 授業実践

Outline of Annual Research Achievements

１．体力が低い子どもの身体的、精神的、社会的特徴についての縦断的追跡調査のベースライン調査を平成26年度に行っており，本年度はその３年目の調査を実施した．中学1年生186 名を対象に，肥満の指標，体力，メンタルヘルスの指標，生活習慣調査，運動や学業に対する意識調査を実施した．小学校4年生から中学1年生にかけての縦断的データから，体力が低い子どもの身体的、精神的、社会的特徴を検討した．その結果は平成28年度の報告と同様に，体力が低い，または相対的に低下した子どもは，肥満傾向が強いこと，生活習慣では遅寝傾向が強いこと，メンタルヘルスが良くない傾向が強いこと，が示された．
２．高校2年生を対象とした体育の授業で，意図的にゆっくり走る「スロージョギング」について教育実践学的に検討した．高校2年生250人を対象に，5時間（1時目は体育の授業として簡易スタミナテストを実施，2時目から5時目には自分に合ったと思うゆったりしたペースで，徐々に時間を増やしながら最終的には20分間続けて走る，3時間目には授業前後で二次元気分尺度の調査を，4時間目には同じく百ます計算を行い，授業前後での比較を行った）の単元を組んで授業を行い，単元前後で持久走に対する態度調査を行った．その結果，単元前に比べ後で，持久走に対する態度が肯定的に変化することを昨年の中学生の調査
と同様に確認した．以上のことから，自分に合った無理のないペースで走るスロージョギングの授業は，高校生においても，肯定的な態度で持久走を実施できることが確認された．

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度予定していた研究内容の1つである，体力が低い子どもの身体的、精神的、社会的特徴についての3年目調査については，中学1年生196名を対象に実施済みである．これらの測定・調査のデータ解析は順調に進んでおり，当初の計画通り研究は進展している．2つめの研究内容である，体力が低い子どもに焦点を当てた身体活動促進啓発を中心とした介入については，高校2年生250人を対象に5時の単元でスロージョギングの授業を実施した．これらについても，測定・調査のデータ解析は順調に進んでおり，ほぼ当初の計画通り研究は進展している．

Strategy for Future Research Activity

平成26年度から平成29年度には，体力が低い子どもの身体的、精神的、社会的特徴についての縦断的追跡調査ができたので，引き続き平成30年度は4年目の縦断的追跡を行う．また，平成30年度は，この研究の最終年度であるため，研究のまとめを行う．