2016 Fiscal Year Research-status Report
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26350741
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日本武道 / 西洋武術 / 比較研究 / ヨーロッパ / 中世 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本武道・西洋武術を課題とした本研究は,日独の比較研究を行うため,日本の武道及び14世紀始めからのヨーロッパ,とりわけドイツ固有の剣術,格闘術,射撃などの武術成立過程にある思想,文化的,そして技術的要因について調査・検討するものである.研究期間内に,可能な限りその結果として日本武道と西洋武術を比較することにより,両方の相違点,または普遍的特徴を明らかにする.平成28年7月には,日本武道の研究を深めるために,日本剣術の一つである全日本剣道連盟が主催する居合道の全国的な講習会に参加した.本講習会は二日間に渡り,香川県の高松市で行われた。現代の全剣連の居合道と古流居合を両方体験でき,理論的な成果も得られた。このような日本武道の研究の追求及び資料収集とともに,ドイツ語圏における西洋武術の調査及び資料収集を行った.平成28年もドイツ及びオーストリアにおいて,スポーツ科学の研究者及び西洋武術の専門家と研究についての議論を交わした.特にドイツ中世剣術を指導する専門家と数回に渡り議論を深めた。その際,ドイツ中世剣術に関する資料紹介と解説を受けた。実際のドイツ中世剣術の稽古も見学し、その様子を写真撮影した。加えて,ドイツ中世剣術修行者と意見交換を交わした.以上により、ドイツ中世剣術への実践的な理解を深めることができた。さらに,平成28年9月に,オーストリアのウィーン市に行き,この研究に貴重と思われる資料を収蔵している図書館及び博物館を訪問した。具体的には,「Kunstkammer & Schatzkammer Wien」,「Albertina」及び「Oester. Nationalbibliothek」を訪れ、デューラー史料を始め,ドイツ及びヨーロッパ中世武術・剣術における第一次史料を調査した.また、平成28年中,日本,ドイツやオーストリアの図書館などで,関連の二次文献史料を収集した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,日本武道に関する資料・情報収集及びドイツ中世の西洋武術に関する文献史料及び関連二次文献資料の調査及び収集を行うとともに,これらの内容を実践に取り込んでいる実技の実際を調査及び検討するものである.これらの分析と比較考察によって,相違点及び普遍的特徴を見出そうとするものである.平成27年度に引き続き,今年度も,日本国内調査に加え,主にオーストリアのウィーン市にある図書館及び博物館などで,西洋武術に関する文献・史料の調査・収集を行った.特に西洋中世剣術における第一次史料である武術文書を調査し,重要と思われる西洋武術に関する一部の文献・史料を収集することに成功した.これらの文献・史料調査及び収集はこれからの比較研究の基礎資料となりうるものである.この研究を実現させるために,このようなヨーロッパでの現地調査とそれによる得られるさまざまな情報は日本では取得し難く,きわめて貴重である.また,今まで収集した資料整理に着手するとともに、その選別作業に入った.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度以降も,研究計画を調整しながら,日本国内の日本武道の調査,そしてヨーロッパにおける中世の西洋武術の調査を継続したいと考えている.平成29年度には,平成26・27・28年度に引き続き,計画通りドイツ及びイタリアでの現地調査を行う.その一つは,ドイツにおける重要な古い文献の資料調査・収集をWeimarの「Herzogin Anna Amalia図書館」及びGothaの「Forschungsbibliothek(図書館)」を通じて実施する.また最近の情報で、イタリアのフィレンツェにあるStibbert博物館に中世の西洋武術と日本武術に関連する武器・鎧などが数多く所蔵されていることが分かった。本研究の目的達成のために,Stibbert博物館のコレクション調査が不可欠であると考えている. さらに,日本とドイツでの武術の実践も引き続きデジタルカメラ,ビデオ・カメラで撮影する.さらに,中世武術の資料の翻訳に当たるとともに,内容を分析し,これらの翻訳・解読作業を行う.
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Causes of Carryover |
平成28年度の研究費を残した理由は,科研費計画申請段階では承認されていなかったサバティカル研修(平成27年10月~平成28年3月)があり、本研究の研究費使用を控えたためである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残っている研究費は平成29年度に使用する.
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Research Products
(1 results)