2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26350741
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 武術 / 武道 / 剣術 / 中世 / 日本 / ヨーロッパ / ドイツ / 柔術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,日本武道・西洋武術を課題とし,日独の比較研究を行うため,日本の武道及び14世紀始めからのヨーロッパ,とりわけドイツ固有の剣術,格闘術,射撃などの武術成立過程にある思想,文化的,そして技術的要因について調査・検討するものである.研究期間内に,可能な限りその結果として日本武道と西洋武術を比較することにより,両方の相違点,または普遍的特徴を明らかにする.平成29年6月には,特に日本剣術の研究を深めるために,全日本剣道連盟が主催する居合道の全国的な講習会に参加した.本講習会は二日間に渡り,岐阜県の高山市で行われた.現代の全剣連の居合道と古流居合を両方体験でき,理論的な成果も得られた.このような日本武道の研究の追求及び資料収集とともに,西洋武術の調査及び資料収集も行った.また今年度に渡って,日本,ドイツ及びイタリアにおいて,スポーツ科学の研究者及び西洋武術の専門家と本研究についての議論を交わし,とりわけヨーロッパ中世武術に関する資料紹介と解説を受けた.さらに,平成29年9月にイタリアのフィレンツェ市にある,この研究に貴重と思われる資料を収蔵している「スティッベルト博物館」(Museo Stibbert)を数日間に訪れた.そこで,ヨーロッパ中世武術および日本武術の研究調査や資料の写真撮影などを行った.また,ドイツのソリンゲン市にある「ドイツ刃物博物館」(Deutsches Klingenmuseum)を訪問し、展示物を調査し、所蔵されているヨーロッパ中世剣術のいくつかの史料を閲覧することができた.また,この博物館の学芸員であるヨーロッパ及びドイツ中世武術に詳しいSixt Wetzler博士と研究議論を交わし,ヨーロッパ中世武術研究の二次資料についても貴重な助言を頂いた。その他に一年間を通して日本,ドイツやイタリアの博物館および図書館などで,関連の二次文献史料を調査・収集した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は,日本武道に関する資料・情報収集及びドイツ中世の西洋武術に関する文献史料及び関連二次文献資料の調査及び収集を行うとともに,これらの内容を実践に取り込んでいる実技の実際を調査及び検討するものである.最近5年間,ヨーロッパ中世武術に関する研究関心が急速に増大し,学術的研究組織の設立,学術誌の刊行等が相次いでいる.それらの全体的な把握のため,当初の想定より大幅な研究時間の増大を要している.一方で,平成29年度JSPSの外国人研究者の受け入れ業務の責任者となり、多忙を極めた.そのため,科研費補助事業期間延長を申請した. しかしながら,今年度も,平成28年度に引き続き,日本国内調査に加え,ドイツやイタリアの博物館及び図書館などで,西洋武術に関する文献・史料の調査・収集を行った.特に西洋中世剣術における第一次史料である武術文書を調査し,重要と思われる西洋武術に関する一部の文献・史料を収集することに成功した.これらの文献・史料調査及び収集はこれからの比較研究の基礎資料となりうるものである.また,今まで収集した資料整理に着手するとともに、その選別・解読などの作業に入った.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度以降も,研究計画を調整しながら,日本国内の日本武道の調査,そしてヨーロッパにおける中世の西洋武術の調査を継続したいと考えている.平成30年度には,ドイツでの現地調査を行う.その一つは,ドイツにおける重要な古い文献の資料調査・収集をWeimarの「Herzogin Anna Amalia図書館」及びGothaの「Forschungsbibliothek(研究図書館)」を通じて実施する.本研究の目的達成のために,これらの調査が不可欠であると考えている. さらに,日本とドイツでの武術の実践も引き続きデジタルカメラ,ビデオ・カメラで撮影する.加えて,中世武術の資料の翻訳に当たるとともに,内容を分析し,これらの翻訳・解読作業を行う.
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Causes of Carryover |
平成29年度の研究費を残した理由は,科研費計画申請段階では予定になかった平成29年度JSPSの外国人研究者の受け入れ業務の責任者となり、多忙を極めたことで,本研究の研究費使用を控えたためである.また,もう一つの理由は最近5年間,ヨーロッパ中世武術に関する研究関心が急速に増大し,学術的研究組織の設立,学術誌の刊行等が相次いでいる.それらの全体的な把握のため,当初の想定より大幅な研究時間の増大を要している.残っている研究費は文献購入や旅費などのために平成30年度に使用する.
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Research Products
(3 results)