2015 Fiscal Year Research-status Report
高温環境におけるスポーツ競技者のコンディショニングに関する調査的研究
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26350744
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
芳田 哲也 京都工芸繊維大学, その他部局等, 准教授 (00191601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寄本 明 京都女子大学, 家政学部, 教授 (30132278)
新矢 博美 京都女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70201564)
久米 雅 京都文教短期大学, その他部局等, 講師 (70551993)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 夏季 / コンディショニング / 食事 / 睡眠 / 練習時間 / パフォーマンス / 病的症状 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は高温環境に対処できるスポーツ競技者の育成を最終目標として、スポーツ競技者の夏季における体調管理状態(コンディシ ョニング)を調査・解析し、高温環境でも運動能力を最大限に発揮できるコンディショニングについて検討することを目的とする。 平成27年度は平成26年度に調査した高校生に加えて大学スポーツ競技者3000名に対してアンケートを実施し、夏季コンディショニングにおける問題点の抽出を試みた。スポーツ活動時の状況について、1日の平均的なスポーツ活動時間は3時間から4時間であり、対象者の約半数が夏季の練習や試合時間が夏季以外に比べてが増加すると回答した。通常の平均的な睡眠時間は6~7時間が多く対象者の80%以上が夏季に睡眠時間が減少しないと回答したが、対象者の半数は夏季に食事(量や回数)が減少する(Y群)と回答した。スポーツ活動時のパフォーマンス低下や病的症状についてクロス集計を行った結果、筋力・持久力・集中力・やる気・判断力などのパフォーマンス低下及び頭痛・吐き気・めまいなどの病的症状は、Y群の「時々ある」または「良くある」との回答が夏季に食事(量や回数)が減少しない群(N群)よりも有意(p<0.01)に多く、「全くない」との回答が有意(p<0.01)に少なかった。また夏季による睡眠時間減少の有無とパフォーマンス低下や病的症状にはいずれの項目についても有意な差は認められなかったが、夏季にスポーツ活動時間が増加する群は、増加しない群よりも「呼吸回数の増加」や「筋肉の痛み」などの病的症状において「良くある」との回答が有意(p<0.05)に多く、「全くない」との回答が有意(p<0.05)に少なかった. 以上の結果より、スポーツ競技者の望ましいコンディショニングには食事管理や練習時間調整の重要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は大学生を対象としたアンケートの配布・回収・集計は実施できたが、大学生と高校生との差異にいては詳細に検討できなかった。また当初予定していた夏季パフォーマンスの低下要因に関する実験・調査的検証は実施できなかったので、「(3)やや遅れている。」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
大学生のアンケートより夏季パフォーマンス低下の主な要因は練習時間の増加と食事の減少であることが示されたので、これらが高校生にも当てはまるか否かを検討する。高校生と大学生が同様の傾向である場合、練習時間の増加と食事の減少が顕著に認められるスポーツ競技者を対象とし、練習内容や生活状況の調査と夏季パフォーマンス低下に関する実験・調査的検証を行う。計画どおりに進まない場合は実験・調査的検証方法を見直し、また対象とするスポーツ競技者を他のスポーツ種目に変更する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた夏季パフォーマンスの低下要因に関する実験・調査的検証が実施できなかったので、物品費や謝金等、実験・調査に使用するための費用に残額が生じたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額は平成28年度の経費と合算し、主に夏季パフォーマンスの低下要因に関する実験・調査的検証に使用する.
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