2016 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of Autogenic Training for reduction of the stress responses on athletes.
Project/Area Number |
26350762
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
菅生 貴之 大阪体育大学, 体育学部, 准教授 (60360731)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 競技者 / 慢性的ストレス / コルチゾール / コルチゾール起床時反応 / 精神神経内分泌免疫学 / アスリート / リラクセーション / セルフコントロール |
Outline of Annual Research Achievements |
自律訓練法(Autogenic Training;AT)は,一定の暗示公式を自己暗示的に唱えストレスの低減を図る技法である(Schultz, 1950など). ATは競技者の実力発揮を目的としたスポーツメンタルトレーニングにおけるリラクセーション・セルフコントロールの技法として我が国ではよく用いられている技法である(長田,1996).競技者にとっては試合場面で実力を発揮したり,バーンアウトを防ぐためには,ストレスを適切に制御しておくことが重要であり,ストレス状態を適切に評価する指標が必要である.我々はストレス状態を定量化する指標として従来用いられてきた心理指標(質問紙等)に加え,生理学的指標として起床時の唾液中コルチゾール濃度を用いて検討を続けてきた.気象直後から30分の唾液中コルチゾール濃度の急激な上昇反応は,起床時コルチゾール反応(Cortisol Awakening Response;CAR)と呼ばれ,慢性的なストレス状態を定量化する指標として近年研究報告が急増している. これまで我々の検討では,シーズン中に極めて高いCARが認められ,オフシーズンには低減し,心理的なストレスとの関連性が示されている(菅生・門岡,2012;門岡・菅生,2012).次にストレス状態にさらされているスポーツ競技者を対象としてATを2週間継続的に練習することの効果を検討したところ、2週間後の時点においてストレス反応の低減が認められた.さらに,心理学的指標について検討を行ったところ,気分の改善が認められた(菅生・門岡・熊谷・寺澤,2016).2週間程度のAT初期導入段階においても気分の改善が認められたことから,ATにはストレスフルな競技者の生理心理学的な調整の効果が期待されると示唆できる.
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