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2015 Fiscal Year Research-status Report

遅発性筋痛の発症・治癒へのエストロゲンの関与

Research Project

Project/Area Number 26350821
Research InstitutionToin University of Yokohama

Principal Investigator

桜井 智野風  桐蔭横浜大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30235220)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords骨格筋 / ダメージ / 治癒 / エストロゲン / HSP
Outline of Annual Research Achievements

骨格筋におけるエストロゲンの効果については、運動誘発性の筋膜損傷に対して保護作用があり、好中球やマクロファージの過剰な活性を抑制、そして抗酸化的な性質ももっており、骨格筋の損傷修復に関わっている。また、身体へのストレッサーである筋運動は、体温上昇や骨格筋の損傷を引き起こしHSP70産生を促す。このHSP70はHKPとも呼ばれ、高保存性ストレスたんぱく質の系統としてほぼ全ての細胞に存在し、熱ショック、虚血、酸化ストレス、たんぱく質の変性時など様々なストレスにより体内で合成される。骨格筋におけるHSPの効果については、熱ストレスを用いたプレコンディショニングによるHSP誘導が骨格筋の虚血‐再灌流によるミトコンドリア損傷を防いで細胞の壊死に対して有効であること、また、伸長性の筋収縮あるいは過度の運動によって骨格筋は損傷を受けるが、その後損傷を受けない程度に運動を行った後では筋が損傷を受けにくくなることが知られている。通常伸長性の収縮によって筋の微細構造であるジストロフィンやデスミンの消失が起きて収縮力の低下が起きるが、トレーニングなどによってsmallHSPであるαBクリスタリン(αBC)やHSP25などが増大した状態では、その働きにより筋原線維の微細構造が維持されるために、収縮力の低下が軽減されると考えられる。
これらの先行研究により、エストロゲンのHSP70への関与が運動により変化することが考えられる。しかし、運動によりHSP70発現が変化するのであれば、損傷をうけた骨格筋の修復過程においてもその発現にエストロゲン等の性ホルモンの影響、すなわち性差が存在する可能性が考えられる。
そこで本研究では、損傷を引き起こした骨格筋におけるHSP70とエストロゲンの関連を観察することにより、損傷筋の修復過程における性差について検討する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究では、損傷を引き起こした骨格筋における女性ホルモンのエストロゲンとHSP70の関連を観察することにより、損傷筋の修復過程における性差について検討することである。
損傷筋作成は0.5%塩酸ブピバカインを前脛骨筋に投与によるが、骨格筋内の損傷度合いが均一ではなく、実験結果の判断に影響を及ぼしていると考えられる。このことが免疫組織学的な知見からの観察を遅延させている要因であり、早急な改善が必要である。

Strategy for Future Research Activity

今回使用している骨格筋は前脛骨筋であり、これはTypeⅡ(速筋)である。平常時および運動24時間後でのHSP70発現は筋線維タイプに影響を受け、TypeⅠで顕著でTypeⅡでは平常時および運動24時間後でその発現に有意差がある。よって、今回平常時においてコントロール群とエストロゲン投与群でHSP70発現に差がみられなかったことは、対象筋にTypeⅡを用いたことがその一因となっていた可能性が考えられる。
今回対象筋として扱ったのはTypeⅡであり、TypeⅠのHSP70発現は検討しなかったこと、雄ラットにエストロゲンを投与したため、エストロゲン以外の性ホルモンの影響も考えられる可能性があること、損傷筋作成後のHSP70発現を作成後7日目までしか検討していないため、7日目以降のHSP70発現を観察していないこと、免疫組織学的な知見からは損傷筋を観察していないことなどがある。そのため、損傷筋作成に関して、骨格筋内の損傷度合いが均一性を保つための方法を模索しなくてはならない。これにより免疫組織学的な知見からの観察がより一層進むものと考えられる。

Causes of Carryover

消耗品価格が当初の予定より低価で購入できたことによる。

Expenditure Plan for Carryover Budget

実験計画の見直しにより、骨格筋損傷モデルの作成に計画時には予定が無かった薬品の購入を考えている。

Research Products

(2 results)

All 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] The Molecular Mechanism Underlying Continuous Exercise Training-Induced Adaptive Changes of Lipolysis in White Adipose Cells.2015

    • Author(s)
      Junetsu Ogasawara, Tetsuya Izawa, Tomonobu Sakurai, Takuya Sakurai, Ken Shirato, Yoshinaga Ishibashi, Hitoshi Ishida, Hideki Ohno, and Takako Kizaki
    • Journal Title

      Journal of Obesity

      Volume: - Pages: 1-10

    • DOI

      10.1155/2015/473430

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] The effect of estrogen on the recovery process of damaged skeletal muscles –Using HSP70 as a marker–2015

    • Author(s)
      Tomonobu Sakurai
    • Organizer
      European College of Sport Science
    • Place of Presentation
      Sweden Malme
    • Year and Date
      2015-06-23 – 2015-06-27
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2017-01-06  

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