2017 Fiscal Year Research-status Report
発達障害傾向を持つ大学生に対する効果的な就職・就労支援プログラムの開発研究
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26350831
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上床 輝久 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (20447973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 広臨 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (10599608)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 発達障害 / 就職支援 / 修学支援 / 認知行動療法 / iCBT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、発達障害の傾向を持つ大学生において、社会的能力やコミュニケーション能力のアンバランス等の特性が就職および就労能力に与える影響について、その精神的健康における要因及び環境的な要因を明らかにすると同時に、特性や能力に応じた就職/就労支援プログラムを開発し、その効果を科学的に検証することを目的としている。 本年度も、引き続き健康診断会場での質問紙調査および二次面接調査を実施し、大学生における心理発達傾向と修学状況、就職活動・就労への不安および期待、必要な支援環境等についての調査を行った。二次面接調査については、来年度以後も引き続き実施すると共に対象者を追跡し、長期的な結果について観察を継続する予定である。 また、これまで集積した知見を通じて、具体的な支援プログラムとして、スマートフォンを活用した認知行動療法に焦点を当て、京都大学医学研究科との共同研究を通じてその効果検証を行うことを目的とした介入試験を開始した。さらに、集団による心理教育および研修からなる支援プログラムの実施については、引き続き学内外の支援機関との協力を元に介入試験の実施準備を進めている。 本年度までの研究成果として、昨年度実施した就労支援機関における予備研究の結果について、共同研究者と共にその成果を日本児童青年精神医学会にて発表した。また、日本学生支援機構および発達障害学生修学支援体制構築に関する合同研究協議会の招聘講演において、研究結果の一部を発表するとともに、支援関係者との情報交換を通じてより効果的なプログラム開発に向けての知見の収集及び協議を行った。 次年度は、本研究計画を総括し、その成果を学術集会等にて発表し、学術誌等への公表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画を進めるにあたって、支援関係者との協議等を通じて効果的な手法について知見の集積および検討を重ねると同時に、予備的研究を実施することによって具体的なプログラムの開発が進んでいる。また、観察研究による修学および就職活動に必要なスキルについての知見も明らかにされつつある。これらを踏まえて、本年度よりスマートフォンによる認知行動療法(iCBT)についての共同研究を開始し、来年度には結果を得て公表する予定である。また、集団による介入研究についても準備が整いつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、本年度実施するiCBTの結果も含め、これまでの研究計画を通じて得られた結果および知見を集約し、その成果を学術集会および学術論文として公表する。また、本研究計画については、今後も発展的に継続することを計画しており、発達障害の傾向を有する大学生および青年における効果的な支援のあり方について、様々な角度からその知見を集積し社会への還元を目指すこととする。
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Causes of Carryover |
本年度計画していた研究結果の解析および研究成果報告の一部が次年度まで見送られた事により、研究結果解析、学術集会参加および論文執筆投稿費用等の支出が発生しなかった。次年度に繰り越された経費については、研究成果報告に必要な経費として支出する予定である。
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Research Products
(4 results)