2015 Fiscal Year Research-status Report
学校での健康診断を利用した小児期の生活習慣病予防プログラムの開発
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26350832
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
井上 文夫 京都教育大学, 教育学部, 教授 (40168464)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 小児肥満 / 早期動脈硬化 / 脈波速度 / 健康教育 / 養護教諭 / 発達障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の研究実績としては、これまで健康診断で実施した脈波速度(PWV)による動脈硬化の測定データ約10000例をまとめ、肥満度や生活習慣との関連を分析し、肥満、血圧、安静時心拍数、運動習慣との関連を明らかにし、その結果を第29回日本小児脂質研究会において、「小児の早期動脈硬化のリスク指標としてのPWVの有用性」というタイトルで発表した。このデータは小児肥満症の診断項目の1つである早期動脈硬化の判定の基礎となるものであり、わが国の小児のデータとしては最大のものと考えられる。現在、論文投稿の準備を進めている。健康診断後の健康教育に関しては、これまで用いた指導用の資料をまとめて教材とする準備を行った。とくにiPadを用いたKeynoteファイルでは、保健室や肥満外来での個別の健康指導にも用いることができる。ネット上に公開した「バイバイ小児生活習慣病」のサイトには、小児肥満に関するトピックス、各種データのリンク、教材などのコンテンツを随時充実させた。発達障害児に関しては児童相談所での指導例を障害別に整理し、改善例での指導ポイントを探索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脈波速度による早期動脈硬化の分析については予定どおり進んでいるが、健康教育に関しては、当初の予定よりも教材開発に手間取り、やや遅れている状況である。ホームページに関してはアクセス数が伸びず、より魅力的なコンテンツにする必要があり、現在大幅なリニューアルを検討している。発達障害児の指導に関しては、障害の内容が複雑であったり、重複していることが多く、保護者の対応も様々なことから、現在まとめかたに苦慮しており、予定通り進行していない。
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Strategy for Future Research Activity |
子どもの食事や運動などの生活習慣は保護者の役割が大きいが、子どもの生活習慣形成に重要な時期に、学校での介入をいかに効果的に行うかがポイントであり、健康診断でのリスクの評価とその後の指導が重要である所以である。今後の方針としては、子ども本人、保護者はもちろん、学校の教職員に子どもの時期の生活習慣の形成の重要性を認識してもらい、これまで集積してきたデータを利用して、子どもや保護者向けの教材を作成して健康教育プログラムのコンテンツを豊かにすることを目標とするが、そればかりでなく、教師向けの研修プログラムの作成を行い、教員の食育や運動指導への理解を深めることを目的とする。また、ホームページをさらに充実させて教員が健康教育に利用できるようなコンテンツを充実させる。
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Causes of Carryover |
消耗品の価格が予想よりも若干下回ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品として使用する。
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Remarks |
このホームページは、学校の先生方をはじめ、保護者が子どもの生活習慣病を正しく理解し、有効な健康教育を進めていくためのものです。
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