2014 Fiscal Year Research-status Report
小児肥満に伴う内臓脂肪蓄積の継続が若年成人期の心血管系リスクに及ぼす影響
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26350886
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
冨樫 健二 三重大学, 教育学部, 教授 (10227564)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肥満小児 / 予後 / 内臓脂肪 / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国において内臓脂肪の情報を有する小児期の肥満と成人期の体型や生活習慣病との関連を同一個人で検討した報告は極めて少ない。本研究では肥満を主訴として過去(1998~2008年)に医療機関を受診した肥満小児の診療記録をもとに予後調査(後ろ向きコホート調査)を実施し、小児期における肥満度や内臓脂肪の蓄積が成人期の生活習慣病罹患とどのように関わるのか検討することを目的とした。 平成26年度は肥満小児における診療情報データベースの構築を主課題とし、現段階で330名(男性200名、女性130名)の情報を収集した。診療情報による測定当時の平均年齢は10.0±1.8歳、身長142.2±110.0cm、体重52.2±14.8kg、肥満度42.1±17.4%であった。腹部CT画像より評価した皮下脂肪面積は220.1±83.9cm2、内臓脂肪面積は38.4±22.4cm2であった。生活習慣病と関わるリスクファクターはGOT(AST) 30.3±15.3IU/L、GPT(ALT) 33.6±32.8IU/L、尿酸 5.7±1.3mg/dl、総コレステロール 183.6±30.4mg/dl、中性脂肪 116.8±83.7mg/dl、HDL-C 54.2±11.5mg/dlであった。出生時体重は3193.9±430.5g、太り始めは5.3±2.6歳であった。当時の測定日から現在(H27年3月)までは平均13.1年経過しており、現在の年齢は23.1±2.3歳であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり、平成26年度はベースライン(小児期)のデータベース構築に主眼を置いていたためほぼ順調に進んでいる。腹部CT撮影を始めた1996年、1997年の診療情報について一部整理ができていないため、今後入力を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は平成26年度に作成されたデータベースを元に調査紙を郵送する。調査紙の内容は、現在の体型について(身長、体重等)、身体活動状況、簡易型自記式食事歴質問票(BDHQ)を用いた栄養摂取状況、健康関連QOL尺度(SF-36)3)を用いた自覚的健康状況、現在の生活習慣病罹患状況(医師に、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病、痛風、脂肪肝、がん、心疾患、脳血管疾患などと診断されたことがあるか)、連絡先などとする。また、調査紙内で次年度以降の検査希望者を募る。なお、調査紙の回収率を高めるため返信がない場合には督促や電話での連絡を行う。郵便の不達などを含め、回収率は40%程度を目標とする。返信結果をもとに小児期の情報と成人期の情報を対応付け、小児期における内臓脂肪蓄積と生活習慣病の罹患状況等に関する解析を行う。
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Research Products
(6 results)