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2015 Fiscal Year Research-status Report

加齢に伴う骨格筋萎縮における小胞体ストレス応答の機能解明

Research Project

Project/Area Number 26350893
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

三宅 雅人  徳島大学, 疾患プロテオゲノム研究センター, 助教 (30588976)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords小胞体ストレス / 骨格筋 / 加齢 / 萎縮
Outline of Annual Research Achievements

細胞の小胞体内に折り畳み不全タンパク質が蓄積して小胞体ストレスが発生すると細胞は、小胞体ストレス応答を活性化させて小胞体ストレスを軽減させる。本研究は、骨格筋の加齢時における小胞体ストレスの発生とその応答シグナルによる骨格筋の機能制御機構について明らかにすることを目的とする。
前年度までに小胞体ストレス応答が加齢したマウス骨格筋で惹起されていることを明らかにした。本年度は小胞体ストレス応答経路のうち、PERK経路について解析を行った。まず、これまでに作製してた薬剤によって骨格筋特異的にPERK経路を活性化できるFv2E-PERKトランスジェニックマウス(TGマウス)を用いて、PERK経路を活性化させた時の骨格筋について解析を行った。TGマウスにおいて薬剤によってPERK経路を活性化させると、1週間で速やかな体重低下が観察され、野生型マウスと比べて骨格筋重量が60%程度までになることがわかった。TGマウスの骨格筋組織を観察すると野生型と比較して筋萎縮が認められた。意外なことにTGマウスでは骨格筋を肥大させるシグナルが上昇し、骨格筋萎縮に関わるいくつかの遺伝子発現は低下していた。さらにPERK経路がアミノ酸代謝に関与することが報告されていることから、細胞内アミノ酸含量について解析したところ、リジンなどいくつかのアミノ酸やアミノ化合物においてTGマウスと野生型マウスの間で差が認められた。さらにPERK経路の活性化によって発現が上昇することが知られている転写因子ATF4を骨格筋特異的に欠損するマウスを作製して、解析を行っている。現在までに若齢時のATF4欠損マウスの骨格筋重量は野生型マウスと同等であった。
以上のことから、本年度はPERK経路の活性化が筋萎縮を誘導すること、ATF4が若齢時の骨格筋の筋量制御には機能していないことを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究当初の目的の一つとしていたPERK経路の筋萎縮における意義について解析を行い、骨格筋特異的なPERK経路の活性化によって筋萎縮が誘導されることを明らかに出来た。また、PERK経路の下流転写因子であるATF4欠損マウスを作製して解析に着手することが出来た。すでにATF4欠損マウスの加齢時の表現系を解析するための準備も進めている。以上のことから、研究はおおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

来年度は、まずPERK経路を活性化できるTGマウスの表現系をさらに解析する。具体的にはTGマウスのPERK経路の活性化による骨格筋萎縮作用に関して薬剤濃度を変化させることでPERK経路の活性化の程度を変化させたときの骨格筋の変化を解析する。また、TGマウスへの薬剤投与後に中断することでPERK経路の活性化を低下させたときの筋萎縮からの回復などについて解析を行う。また、詳細な分子機構については過去に行っているマイクロアレイなどのデータを利用することで鍵分子を見いだして、培養細胞も用いて解析を行う。一方で新たに作製した骨格筋特異的なATF4欠損マウスの表現系をさらに解析する。具体的には当初の研究目的にあった加齢時の骨格筋の萎縮の程度や運動能力について検討を行う。また、加齢以外にも骨格筋のATF4を誘導することができると考えられる低タンパク食、運動、寒冷刺激など様々な条件下での表現系を解析する。さらに筋萎縮を誘導させる後肢懸垂や絶食モデルなどにおいても解析を行う。また、可能であればTGマウスと骨格筋特異的ATF4欠損マウスを交配させることでPERK経路の活性化による筋萎縮においてATF4がどの程度関与しているかを明らかにする。

Causes of Carryover

マウスを用いた実験において予備検討が順調に進み、必要とする試薬の購入量を減らすことが出来たため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

新たに作製した次年度解析予定の遺伝子改変マウスの飼育費用やRT-PCRやマイクロアレイなどの解析のために必要な試薬の購入費用とする。

Research Products

(8 results)

All 2016 2015 Other

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (5 results) Book (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Skeletal muscle-specific eukaryotic translation initiation factor 2α phosphorylation controls amino acid metabolism and fibroblast growth factor 21-mediated non-cell-autonomous energy metabolism.2016

    • Author(s)
      Miyake M, Nomura A, Ogura A, Takehana K, Kitahara Y, Takahara K, Tsugawa K, Miyamoto C, Miura N, Sato R, Kurahashi K, Harding HP, Oyadomari M, Ron D, Oyadomari S.
    • Journal Title

      FASEB journal

      Volume: 30 Pages: 798-812

    • DOI

      10.1096/fj.15-275990

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] 小胞体ストレスを減弱させ膵β細胞でのインスリン生合成を促進する新規化合物の同定2015

    • Author(s)
      三宅 雅人, 倉橋 清衛, 森 智子, 宮本千伸 , 津川和江 , 三浦恭子 , 北原吉朗 , 親泊 政一
    • Organizer
      第27回 分子糖尿病学シンポジウム
    • Place of Presentation
      丸ビルホール&コンファレンススクエア(東京都千代田区)
    • Year and Date
      2015-12-05
  • [Presentation] 小胞体ストレスなどで活性化されるeIF2αリン酸化シグナルによる摂食調節を介した肥満抑制作用2015

    • Author(s)
      三宅 雅人, 張君 , 志内 哲也, 倉橋 清衛, 宮本千伸 , 津川和江 , 親泊 美帆, 親泊 政一
    • Organizer
      第38回分子生物学会年会・第88回生化学会年会合同大会,
    • Place of Presentation
      神戸ポートアイランド(兵庫県神戸市)
    • Year and Date
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [Presentation] ATF6βの肥満・糖尿病における役割2015

    • Author(s)
      三宅 雅人, 高原 一菜, 森本雅俊 , 倉橋 清衛, 親泊 政一
    • Organizer
      第10回小胞体ストレス研究会
    • Place of Presentation
      淡路夢舞台国際会議場(兵庫県神戸市)
    • Year and Date
      2015-11-29 – 2015-11-30
  • [Presentation] 小胞体ストレスを標的とした膵β細胞でのインスリン生合成を促進する新規化合物の同定2015

    • Author(s)
      三宅 雅人, 倉橋 清衛, 森智子 , 宮本千伸 , 津川和江 , 三浦恭子 , 北原吉朗 , 親泊 美帆, 親泊 政一
    • Organizer
      第10回臨床ストレス応答学会大会
    • Place of Presentation
      東京農工大学(東京都小金井市)
    • Year and Date
      2015-11-06 – 2015-11-07
  • [Presentation] 小胞体ストレスなどで活性化されるeIF2αリン酸化シグナルによる摂食調節を介した肥満抑制作用2015

    • Author(s)
      三宅 雅人, 張 君, 倉橋 清衛, 宮本 千伸, 津川 和江, 親泊 美帆, 親泊 政一
    • Organizer
      第58回日本糖尿病学会年次学術集会
    • Place of Presentation
      海峡メッセ下関(山口県下関市)
    • Year and Date
      2015-05-21 – 2015-05-24
  • [Book] 新時代の臨床糖尿病学(上)2015

    • Author(s)
      親泊政一、三宅雅人
    • Total Pages
      5
    • Publisher
      日本臨床社
  • [Remarks] 徳島大学 先端酵素学研究所 プロテオゲノム研究領域 生体機能学分野 親泊研究室

    • URL

      http://www.genome.tokushima-u.ac.jp/dmb/DMB/homu.html

URL: 

Published: 2017-01-06  

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