2015 Fiscal Year Research-status Report
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26350951
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
松田 繁樹 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (60405058)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 裸足 / 幼児 / 浮き趾 / 重心位置 / 足裏形状 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は裸足保育の効果を検証することである.具体的には,裸足保育が浮き趾,足裏形状,重心位置,立位安定性,歩行・走行時の足裏形状および足圧荷重に及ぼす影響を検討することである.平成27年度は裸足保育実施の幼稚園および保育園,ならびに通常保育の幼稚園および保育園にて,接地足蹠面,重心位置,立位安定性および足圧荷重の測定を順次実施した.得られた結果は以下の通りである.①裸足保育を実施する園に通う552名(男児299名,女児253名)および裸足保育を実施していない園に通う園児538名(男児286名,女児252名)を対象に,裸足保育実施の有無が浮き趾に及ぼす影響を検討した.その結果,男児では,裸足保育を実施している園に通う幼児が実施していない園に通う幼児より浮き趾者の割合および浮き趾本数が有意に少なかった.②縦断的データ(4歳時点とその2年後)を利用して,裸足保育を実施する園に通う園児59名(男児34名,女児25名)および裸足保育を実施していない園に通う園児179名(男児103名,女児76名)を対象に,裸足保育実施の有無が浮き趾に及ぼす影響を検討した.その結果,男児においては裸足保育の園に通う幼児は幼児期の2年間で浮き趾のない者が有意に増加した(35.3%→64.7%).浮き趾の本数は裸足保育の園に通う幼児が裸足保育でない園に通う幼児より少なく,その差は4歳時より6歳時において拡大した(ES:0.41→0.63).一方,女児では,裸足保育が足趾の接地状況に及ぼす影響はほとんどなかった.以上より,裸足保育が男児の浮き趾に影響を及ぼすことが明らかになった.現在,その他の項目(足圧荷重,足裏形状,立位安定性)と裸足保育の関係を分析しており,今後,それらの結果を公表していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の計画は,研究協力園の拡大,測定の実施,データ解析,および論文化であった.測定については,接地足蹠面,立位安定性,および足圧荷重の測定が順調に行われた.順次データ解析が進められており,現在2編を国際誌に投稿中である.歩行・走行時の足裏形状および足圧荷重については,予備実験を進めている.全体として,おおむね順調に研究が進められていると判断される.
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Strategy for Future Research Activity |
接地足蹠面,重心位置,立位安定性および足圧荷重のデータはほぼ揃っているため,データ解析を行い,順次学会発表・論文化を進める.現在,浮き趾と裸足保育の関係に関する論文を2編投稿中である.その他のデータもまとめ,論文化を進める予定である.歩行・走行時の足裏形状および足圧荷重については,予備実験終了後,順次測定する.
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Causes of Carryover |
主な理由としては,謝金(データ解析への補助)が少なくすんだため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品は,測定,データ解析,論文作成時に必要なプリンタートナー,コピー用紙,文房具等を購入する予定である.日本体育学会,東海体育学会,日本教育医学会,日本発育発達学会において発表するための旅費が必要となる.また,研究協力者との打ち合わせや測定の際の移動における旅費も必要になる.測定補助およびデータ解析の際に学生に協力を得るため,謝金が必要となる.その他として,文献取り寄せ費用,研究成果投稿費用,英文校正費用が必要になる.
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Research Products
(2 results)