2015 Fiscal Year Research-status Report
分子グラフティングによるアルブミン結合性ヒト型アダプタータンパク質の分子設計
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26350968
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
本田 真也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 副研究部門長 (50344122)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 分子設計 / バイオテクノロジー / バイオ医薬品 / タンパク質工学 / 薬物動態 / 血中安定性 / ヒト血清アルブミン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、低分子化タンパク質の薬物動態改善に寄与する汎用技術の提供を目指して、ヒト血清アルブミン(HSA)に特異的に結合するヒト型アダプタータンパク質を開発し、その機能と構造に関するin vitro分子特性を解析することを目的とする。平成27年度は、以下の3項目を実施した。(3)「アダプタータンパク質および比較対象タンパク質の合成と精製」では、前年度の構築した発現ベクターを用いて、大腸菌を形質転換した。培養溶菌後の可溶性画分から目的物を回収し、イオン交換クロマトグラフィーおよびゲルろ過クロマトグラフィーで高純度に精製した。精製品は、SDS-PAGEと質量分析法で同定した。(4)「アダプタータンパク質のHSA結合活性の測定」では、設計したアダプタータンパク質が目的とするHSA結合活性を獲得していることを表面プラズモン共鳴(SPR)法で確認した。HSAをアミンカップリングでセンサーチップに固定化して、濃度の異なる試料溶液をインジェクトし、各々の解離常数を求めた。(5)「アダプタータンパク質の構造安定性の測定」では、アダプタータンパク質が正しくフォールドし、元の天然型ヒトタンパク質と同等な立体構造を形成していることを円偏光二色性(CD)法で確認した。また、その構造安定性も同機で定量的に評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究実施計画として予定していた「アダプタータンパク質および比較対象タンパク質の合成と精製」のうち、前年度未遂であった部分を実施した。また、平成27年度の研究実施計画として予定していた「アダプタータンパク質のHSA結合活性の測定」、「アダプタータンパク質の構造安定性の測定」の2項目を計画通り実施した。親和性を獲得した変異体の合成など、良好な成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、「アダプタータンパク質のHSA結合特異性の測定」と「アダプタータンパク質の相互作用熱力学解析」を行い、全期として当初計画の完遂を目指す。
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Causes of Carryover |
雇用を予定していた博士研究員が他所に転出したため人件費に未使用分が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画を組み替えて現員で可能な課題を先行し、その他の課題に関しては新たな研究員を採用して実施する予定。
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Research Products
(25 results)