2014 Fiscal Year Research-status Report
新規骨格を有するNF-kappa B阻害剤の探索と難治性がん治療への応用
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26350975
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
梅澤 一夫 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70114402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須貝 威 慶應義塾大学, 薬学部, 教授 (60171120)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | NF-kappa B / (-)-DHMEQ / Exo-ene EQ / スクリーニング / 放線菌 / 炎症 / がん / スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
新規epoxide-free (-)-DHMEQ誘導体の生物活性:私たちが発見した特異性が高いNF-kappa B阻害剤 (-)-DHMEQはNF-kappa B構成因子のp65やRelBの特異的cysteineに共有結合してDNA結合能を消失させる。一方、(-)-DHMEQは構造にcysteine 結合部位であるepoxideを有しているが、epoxideは反応性が高く、安定性を低下させると考えられるのでepoxideのかわりにexomethylene carbonylを導入したExo-ene EQを分子デザインして合成している。Exo-ene EQは(-)-DHMEQと同等の濃度でp65とkappa B DNAの結合を阻害し、マクロファージ様マウスRAW264.7細胞においてLPSに誘導される炎症因子の発現と分泌を抑制する。線維芽細胞腫HT1080細胞のMatrigel浸潤も抑制することがわかっている。H26年度に悪性度の高い明細胞卵巣がんES-2細胞の遊走と浸潤を抑制することがわかった。さらに水溶液中の安定性を調べ、Exo-ene EQは(-)-DHMEQよりPBS中で安定で、より活性が強く保たれることがわかった。現在、DHMEQは抗炎症剤、抗癌剤として開発が進んでいるが、Exo-ene EQはDHMEQより合成が容易であり、より安定で、第二世代DHMEQとして将来開発される可能性がある。 新しいNF-kappa B阻害剤のスクリーニング:約1500株の放線菌の培養液から、培養マクロファージ細胞を用いてLPSに誘導されるiNOS-NO産生の阻害剤をスクリーニングした。すでに既知物質quercetinやquercetin glycosideが単離され、そのほかの化合物も構造決定の途中にある。NF-kappa Bを阻害する新規物質および新規活性物質の発見を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい(-)-DHMEQ誘導体であるExo-ene EQが水溶液中で、より安定なことが示せたのは、有用性が理解されることで大きな進展だった。さらに、特に悪性度の高い明細胞卵巣がん細胞の遊走と浸潤を抑えられることも示すことができた。微生物な培養液からの新しいNF-kappa B阻害剤スクリーニングは、すでに妥当な既知化合物が見出されているので、単離・精製と構造決定を含めて、順調に進展している。一方、Exo-ene EQの量が未だ十分でなく、機構研究として、保護されたcysteineと結合することが未だ示せていないのでおおむね順調とした。
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Strategy for Future Research Activity |
(-)-DHMEQの構造からepoxideを除いた新規骨格のExo-ene EQは安定性において第二世代DHMEQに発展する可能性がある。そこで、Exo-eneEQを用いて、乳がんMDA-MB-231など悪性度の高いがん細胞の浸潤抑制効果を調べる。開発が先行している(-)-DHMEQとExo-ene EQを用いてplasmacytoma細胞に対するアポトーシス阻害因子発現抑制を調べ、がんとやはり難治性の自己免疫疾患疾患の抑制に発展させる。一方、多くの二次代謝産物を含む放線菌培養液(ブロス)を年間1,500サンプルほど入手して、新しいNF-kappa B阻害剤のスクリーニング行う。マウスマクロファージ様細胞株RAW264.7細胞を用いて、LPSを添加し、NF-kappa B依存iNOS発現/NO産生を指標にする。細胞毒性をMTTで評価し、毒性のない濃度でNO産生を阻害するブロスを探す。ヒットしたブロスは大量培養を依頼し、溶解性の違いや各種クロマトグラフィーを用いて活性本体を単離、精製する。精製してからNMRやマススペクトルを用いて構造決定をする。フラボン化合物がヒットする可能性があり、その場合には私たちの発見した新規フラボノイドdesmalにも注目してiNOS/NO産生阻害活性、NF-kappa B阻害活性とがん細胞遊走・浸潤抑制を調べる。 一方、なるべく多くのケミカルバイオロジーおよびがん関連の学会発表、論文発表をする。海外の学会でも発表して、臨床応用の議論をする。臨床応用につながる課題であるので、社会に早く進展を伝えるためにホームページやFacebookを活用する。今までの経験からマクロファージによるNO産生の阻害物質はヒットして活性物質が得られる可能性が高いが、新規天然有機化合物が得られない場合、既知物質でも新規作用を重視して発展させる。
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Remarks |
梅澤ラボ・ネットはHPで慶應義塾大学および愛知医科大学の梅澤研究室の紹介をしている。Umelab Aichiはフェイスボオクで、海外・国内学会参加の様子を写真付きでビジュアルに紹介している。
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Research Products
(31 results)
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[Journal Article] Dehydroxymethylepoxyquinomicin, a novel nuclear factor–κB inhibitor, reduces chemokines and adhesion molecule expression induced by IL-1β in human corneal fibroblasts2015
Author(s)
S. Inokawa, T. Watanabe, H. Keino, Y. Sato, A. Hirakata, A. A. Okada, K. Fukuda, A. Fukushima, K. Umezawa
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Journal Title
Graefes Arch. Clin. Exp. Ophthalmol.
Volume: VOL. 253
Pages: 557-563
Peer Reviewed
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[Journal Article] Immunosuppression through constitutively activated NF-κB signaling in human ovarian cancer and its reversal by a NF-κB inhibitor2014
Author(s)
H. Nishio, T. Yaguchi, J. Sugiyama, H. Sumimoto, K. Umezawa, T. Iwata, N. Susumu, T.Fujii, N. Kawamura, A. Kobayashi, J-H Park, D. Aoki, Y. Kawakami
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Journal Title
British Journal of Cancer
Volume: VOL. 110
Pages: 2965-2974
Peer Reviewed
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[Journal Article] Anoikis induction and inhibition of peritoneal metastasis of pancreatic cancer cells by a nuclear factor-kappa B inhibitor, (-)-DHMEQ2014
Author(s)
M. Sato, K. Nakanishi, S. Haga, M. Fujiyoshi, M. Baba, K. Mino, Yimin, H. Niwa, H. Yokoo, K. Umezawa, Y. Ohmiya, T. Kamiyama, S. Todo, A. Taketomi, M. Ozaki
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Journal Title
Oncology Research
Volume: VOL. 21
Pages: 333-343
Peer Reviewed / Open Access
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