2015 Fiscal Year Research-status Report
体性感覚野の神経回路形成における神経細胞多様性の役割
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26350980
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平山 晃斉 大阪大学, 生命機能研究科, 特任講師(常勤) (40437398)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | クラスター型プロトカドヘリン / 大脳皮質 |
Outline of Annual Research Achievements |
クラスター型プロトカドヘリン遺伝子群は58 種類のアイソフォームからなり、個々の神経細胞で複数のアイソフォームを異なる組み合わせで発現する事で神経細胞に莫大な分子的多様性を生み出す。しかし、現在のところ脳神経系におけるクラスター型プロトカドヘリンの役割は十分に明らかとはいえない。マウス大脳皮質体性感覚野には、生後1週間かけてヒゲからの刺激入力を受けることで形成されるバレルと呼ばれる樽状の特徴的な構造体がある。本研究では、この神経活動に依存した神経回路の形成過程を一つのモデルとしてクラスター型プロトカドヘリン遺伝子群の機能解析をするため様々な遺伝子欠損マウスの作製をおこなっている。本年度は、これまでに作製したクラスター型プロトカドヘリン遺伝子群の一部が欠損したマウスを用いて、残っているアイソフォーム数を更に減少させたマウスの作製をおこなった。作製方法として、昨年度はCRISPR/Cas9システムの導入を行なったが、本年度は更なる効率化のため受精卵にCRISPR/Cas9およびsgRNAをエレクトロポレーション法で直接導入する方法を取り入れた。また、遺伝子欠失によりバレルが形成される生後7日以前にマウスが死亡することを避けるため、コンディショナルにプロトカドヘリン遺伝子群を欠失させる必用があったが、CRISPR/Cas9システムを用いることでloxPを目的の領域に効率よく挿入することが可能となった。これらの技術を用いて作製したマウスは、クラスター型プロトカドヘリンの多様性が持つ神経系における役割を解析するために有用である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、遺伝子改変技術を用いて多様化した遺伝子群の多様性を減少させた様々なマウスを作製する必用があった。本年度は、CRISPR/Cas9システムによるゲノム編集技術を改良するこで昨年度よりマウス作製の効率化を図ることができ、当初計画したマウスの作製が可能な状況になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に引き続きマウスの作製を行なうとともに、作製した様々な遺伝子改変マウスを用いることでクラスター型プロトカドヘリンの多様性が持つ神経系における役割の解析を推進する。
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Causes of Carryover |
順調に研究は進展したが、本年度は昨年度の繰り越し分があったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験系の効率化が図れたので、実験計画に従って新たなマウスの作製および作製したマウスの解析に用いる。
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Research Products
(4 results)