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2015 Fiscal Year Research-status Report

1930~50年代マスメディアと女性ー内容分析とライフヒストリー調査の結合

Research Project

Project/Area Number 26360047
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

木村 涼子  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (70224699)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 土田 陽子  和歌山大学, システム工学部, 准教授 (30756440)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsジェンダー / 近代日本 / 女子教育 / メディア / 大衆小説 / ライフヒストリー
Outline of Annual Research Achievements

1)戦前日本の女子教育制度・進学状況、女子学生文化、家族の在り方、女性労働、性役割、性別特性(女らしさ・男らしさ)、セクシュアリティなどについて、近代的なジェンダー秩序の形成や変容に関わる論争や流行文化に関する文献整理を行った。その中でもとりわけ女性を主たる読者とした通俗小説に関する文献や資料を、図書館や古書市場、戦前の流行小説作家であった方の親族のご協力などによって、収集した。それらの資料を基に、近代日本のマスメディアや文壇におけるジェンダー・ポリティクスを描き出すべく、学術論文執筆を行った。
2)2015年度に再整理していた高齢女性のライフヒストリー・インタビューガイドを基に、引き続きインタビュー調査を実施した。2015年度に調査協力の意思を示していただいていた、旧制の大阪女子高等専門学校の卒業生を中心に、85歳以上の高齢女性へのインタビューを、研究分担者である、土田陽子とともに、関西と東京を中心に各地で実施した。
3)研究分担者である土田陽子は地方都市の県立高等女学校卒業生を対象にインタビュー調査を開始した。より幅広い地域や学歴層を対象にインタビュー調査を行うことで、女性のライフヒストリーの地域差や学歴による差異および共通点を描き出せると考えたからである。
4)インタビュー調査は長時間にわたることが多く、その結果は順次文字起こしをすすめ、学術的な資料とする同意をいただきながら、インタビュー協力者から内容のご確認を得ている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1930~50年代のマスメディアと女性という点では、女性を主たる読者として大衆雑誌に発表された通俗小説に関わる貴重な資料やデータを丹念に集めることができたので、二本学術論文にまとめる成果を上げた。
戦前に教育を受け、マスメディア情報を享受していた年齢層の女性へのインタビュー調査は、2015年度にいくつかの学校の同窓会組織のご協力を得て開始することができたが、当初の予定以上にご協力者が多くなるとともに、一回のインタビュー時間も長く、さらには複数回インタビューさせていただく場合もあり、2016年度は研究分担者土田陽子を得て、昨年度に引き続きのインタビュー調査を順調に実施している。
二年目としては十分な成果を挙げることができたと考えている。

Strategy for Future Research Activity

今年度は最終年にあたるため、前半では、木村涼子はすでに内諾を得ているインタビュー協力者への調査の残りを終えるとともに、土田陽子は県立高等女学校卒業生のクラス会を通じて対象者を広げてインタビュー調査を行う。
今年度後半では、高齢女性のインタビューデータを、家庭教育、学校教育、メディア受容、文化体験(習い事、音楽、スポーツ、文学、レジャーなど)、学校教育に対する意識について、また結婚、子育て、就職などライフイベントごとに、丁寧に読み直し、マスメディアおよび学校教育が女性の人生に与えた影響を分析するとともに、インタビューの中で浮かび上がってきた戦争体験の重要性についても考察したいと考えている。また、インタビュー対象者の出身学校や出身階層の違いに注目した分析も加えたい。
年度末には、インタビューデータを基にした調査報告書を作成する予定である。
また、適宜、学会発表や学術論文執筆の形で公表していきたい。

Causes of Carryover

購入予定であった図書が年度内の納品に間に合わなかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

今年度、図書購入を行う。

Research Products

(3 results)

All 2016 2015

All Journal Article (2 results) (of which Open Access: 2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] <女が読む小説>を書くということ―文壇のジェンダー・ポリティクスと忘れられた「通俗小説」作家・加藤武雄2016

    • Author(s)
      木村涼子
    • Journal Title

      大阪大学大学院人間科学研究科紀要

      Volume: 42 Pages: 345-368

    • Open Access
  • [Journal Article] 農民文学と<女が読む小説>「通俗小説」のはざまで―加藤武雄の文学論と「義民」小説2016

    • Author(s)
      木村涼子
    • Journal Title

      大阪大学教育学年報

      Volume: 21 Pages: 67-88

    • Open Access
  • [Book] 『男女別学の時代―戦前期 中等教育のジェンダー比 較』 第4章「中学校と高等女学校における音楽教育とジェンダー―音楽教育の位置づけと意義の変容過程」2015

    • Author(s)
      土田陽子(分担執筆)
    • Total Pages
      165―208
    • Publisher
      柏書房

URL: 

Published: 2017-01-06  

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