2016 Fiscal Year Annual Research Report
General Research on Construction of Gender in the History of Relations between Chinese and Japanese Women during the Modern Period: Focusing on Shige Takenaka
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26360052
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山崎 眞紀子 日本大学, スポーツ科学部, 教授 (00364208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 照子 大妻女子大学, 比較文化学部, 教授 (50316907)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 女性記者・竹中繁 / 日中女性関係史 / 中国女性史 / 女性記者の海外経験 / 日本文学者の中国体験記 / ジェンダー / 日本近代文学 / 1920年代の中国の教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、竹中繁の1926年から1927年の半年間に中国の主要都市を周った旅の記録である日記の注釈を継続し、悪化していく日中関係を食い止めるべく日中間の懸け橋となろうと日本、中国の両雑誌に寄稿した記事を収集してデータ化した。さらに竹中宛の書簡起こし、解説、データ化を行った上で、竹中と交流のあった同時代の中国人女性や日本人作家・思想家、社会運動家などキーパーソンとなる人物の研究を多角的に進めた。また、同時期に中国に旅行した日本近代文学の作家の中国体験記の分析を行い、竹中繁との差異も見た。 これらの結果を、研究代表1名、研究分担者1名、研究協力者3名、合計5名で、平成28年12月18日に武蔵大学江古田キャンパスにおけるジェンダー史学会で、「一人の日本人女性記者が見た日本近代中国 ― 竹中繁の「中国旅行日記を中心として」と題し、パネル発表を行った。発表後は活発な質疑応答も交わされた。 以上のように、1926年から1927年に東京朝日新聞の初の女性ジャーナリスト・竹中繁が、6か月間、中国の主要都市を中心に教育機関を積極的に見学し、女性教育に尽力している中国人女性とひざを交えて交流した記録である日記の持つ意味を明らかにすることができたので、公刊への準備を進めていった。 竹中繁の史料を整理保存してきた遺族である令孫とも打ち合わせを行い、史料公開の許諾も得た。竹中繁の中国日記の注釈、重要人物・項目の解説、竹中の日中関連の記事、書簡、および竹中が亡くなるまで親交の深かった市川房枝の養女と、竹中繁の令孫と私たち科研メンバーによる座談会を収録したものを加え、公刊への形を調えて、日本学術振興会の出版助成に応募した。タイトルは「女性記者・竹中繁のつないだ近代中国と日本」で出版社は研文出版である。出版助成は申請が通ったので、平成30年2月までには研文出版から刊行されることとなる。
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