2015 Fiscal Year Research-status Report
旅館経営における女将の知の蓄積と継承の意味:顧客価値形成を中心に
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26360088
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
姜 聖淑 帝塚山大学, 経営学部, 准教授 (70511294)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 顧客価値 / ローカル価値 / クリエイティブ・ツーリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、研究計画通り、顧客価値を共有することに成功している旅館を対象にインタビュー調査を実施した。まず、対象のカテゴリー化を試みた。国内4カ所(京都、岡山、唐津、東京)のフィールド調査を終え、国外の現地調査もローカルの固有価値を優先し、観光ビジネスが行われているイタリアでのフィールド調査を行った。国内調査からはサービス現場で何が起こっているのかを女将や経営者との深層面談の内容を整理することによって、顧客価値パラダイムの変化、ローカルな地域価値と旅館(サービスビジネス)の組み合わせにより、新たな付加価値を創造することが事例から明らかになった。また、国外研究からは、イタリアの現地調査より、有形の観光遺産を中心として宿泊施設が都心部から遠心的に展開されていることや地域に密着した家族経営の規模の小さいレストランやホテルなどが多数占めていることが確認できた。さらに、サービスクオリティ(対人サービス)の評価が国ごとに異なることがわかった。平成28年度には、平成27年度のフィールド調査を踏まえ、理論と仮説モデルを構築し、定量調査を行う計画である。 (1) KBS創研(2015年9月) 「おもてなしは必要か?~観光業の場合」、招待パネリスト講演 (2) 日本観光振興協会(2016年2月)「観光大国とおもてなし(目指せ観光立国日本!~観光立国から観光大国へ」、招待パネルリスト講演 (3)近畿経済産業局(2016年5月)「女将のおもてなし経営」、アドバイザー交流サロンでの招待講演
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度にサバティカルをいただき、研究計画通り調査ができなかったので、その分遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
顧客価値モデル構築のために、新規性と親近感の評価を繰り返し、ハワイを目的地とする観光客を対象として定量・定性調査を実施する。また、引き続き、日本型ハイコンテクストサービスのグローバル展開の可能性を探るため、国外調査を実施する。
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Causes of Carryover |
平成26年度にサバティカルをいただき、研究フィールドから離れ、現地調査などが物理的に不可能な状況に置かれていたため、研究費を使うことができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、本来、調査すべきフィールドワークが実施できたが、まだ、定量調査と国内外調査が行われてなかったため、その活動費として現地調査に当てる。
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Research Products
(3 results)