2017 Fiscal Year Annual Research Report
Ethno-Epistemology as a Meta-Epistemological Inquiry
Project/Area Number |
26370010
|
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
水本 正晴 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (70451458)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | epistemology / experimental philosophy / Knobe effect / philosophy of language / philosophy of action / cross-linguistic study |
Outline of Annual Research Achievements |
執筆、編集した論文集、Epistemology for the Rest of the World がオックスフォード大学出版からの出版が決定した。 その冒頭のManifesto においては、Stephen Stich と共に、言語的差異が認識論に対し持ちうる帰結の重要さを論じ、論文'"Know" and its Japanese counterparts Shitte-iru and Wakatte-iru' においては、具体的に「知っている」と「分かっている」の知識述語としての使用に大きな違いがあることを経験的データをもとに示し、英語の"know" と異なる知識概念があるということ、およびそのことの帰結を論じた。 また、Knobe Effect を言語的観点から考察し、(物語なしに)単なる文の適切性判断のみでも人々の意図性の帰属に道徳的非対称性があることを示した。またその結果に日本語と英語で有意な違いがあることも示し、交言語的な考察の重要性を指摘した。これらの結果は"A Simple Linguistic Approach to the Knobe Effect" として国際誌Philosophical Studies における出版が決まった。 その他、審査中であるが、真理概念についても大きな言語的差異が存在し、しかもそれが政治・道徳的要素の影響によって生じることを発見し、論文としてまとめた。その後の研究の成果を含め、それらの結果は(独立の論文として)香港、韓国、ニュージーランドで発表された。 さらに、Stich や Machery らとの共同研究Intellectual Humility Project の成果が複数の論文にまとめられ、異なる国際誌に掲載が決まった。
|