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2016 Fiscal Year Research-status Report

『解深密経』におけるツェルパ・テンパンマ両系統のテキスト比較分析

Research Project

Project/Area Number 26370052
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

加藤 弘二郎  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 特任研究員 (90597428)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywordsテンパンマ写本 / 解深密経 / チベット語訳
Outline of Annual Research Achievements

平成28年度も引き続き『解深密経』のチベット語訳テキストの作成に多くの時間を費やした。これまで蓄積してきたチベット語訳テキストの作成方法、すなわち東西系統のチベット語訳写本・版本の比較検討を用いることにより、現段階で考えうる最良の「比較対照テキスト」の実現が可能となる。現在、完成には至っていないが、すでに承認されている補助事業期間延長により、完成の目途がたっている。
ただ、問題点も生じた。Texという組版ソフトを使用して、これまでには考えられなかったような画期的な対照テキストを作成する予定であったが、OSがヴァージョンアップする度に、Texの基本設定について、必ず大幅なシステム変更を伴うことが判明した。今回作成しているテキストは、今後多くの研究者によって利用されることが予想され、作成者サイドとして、継続的にシステムのヴァージョンアップの対応に迫られることは容易に想像がつく。それゆえ、万一のバックアップ用として、また論文などに引用する際の利便性などを考え、Wordソフトを使用しての対照テキストの作成も同時進行することにした。その際、これまで作成したTexファイルからWordファイルへのデータの移行、および成形という作業を追加した。この作業には、思いのほか時間が取られ、実際難航している。
また、平成28年度になって初めて大学院生による研究協力者を得た。これまで研究代表者一人で行っていた校閲作業、およびTexのシステムエラーの対応について、格段に効率があがった。現在までに作成した範囲の和訳と訳注についても完成の目途はたっている。とはいえ、テキストの完成までには、未だ時間を要する状態である。作成の範囲を、第5章~第7章に絞ることで、より質の高い対照テキストを目指す予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

平成26年度から28年度までの間に、対照テキストのひな型は完成しており、入力は8割以上済んでいる。ただし、一番時間のかかる校訂作業において、最初の2年間に、優れた研究協力者が見つけられなかった。緻密なチベット語訳校訂作業に耐えられる学生の確保は予想以上に困難であった。平成28年度になり、ようやく有能な大学院生の協力を取り付けて、現在に至っているが、テキストの完成にはまだ時間がかかる。
また、問題となるのは、対照テキストの中身ではなく、むしろ技術的な点である。Tex(組版ソフト)により当テキストの作成を目指していたが、今後、汎用性を追求するためにも、Tex用のファイルとWord用のファイルという両スタイルの必要を感じ、現在、当該箇所について二種類のテキストを作成中である。現在も、Tex(組版ソフト)のシステムメンテナンスを含め、校訂作業を粛々と進行中である。

Strategy for Future Research Activity

補助事業の延長申請が認められたので、残り一年間については、ただ、ひたすら残された部分の校訂作業をおこない、なるべく早い時期に完成させたい。当初の予定に入っていなかった、Wordファイルでのテキスト作成については、Texソフトによるテキスト作成が完了後、速やかに着手したい。Texによるファイル作成が技術的なトラブルを抱え、成果提出時期に影響を及ぼすことも十分に予想されるので、Wordファイルによるテキスト作成にも力を入れていきたい。最終的には、どちらのテキストでも成果報告ができるような態勢を整えたい。

Causes of Carryover

本経テキストの校訂・確認作業の予算として計上していた謝金および旅費の一部が残る形になった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成29年度は、研究協力者1名分の1か月分の謝金とおよび本経テキスト作成の完成に必要なコピー用紙・インク等の細々とした物品費として利用する予定である。

URL: 

Published: 2018-01-16  

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