2015 Fiscal Year Research-status Report
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26370081
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
Neuman Florian 香川大学, 学内共同利用施設等, 講師 (80403773)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国家論 / 右翼思想 / ユートピア論 / 政治思想 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題は戦前日本の右翼思想家の国家論・ユートピア論であり、それぞれの思想家についてまずドイツ語の論文を執筆し、将来英訳のまとまった本として出版する予定である。2015年2月、東京に事務局のあるドイツ語雑誌『OAG Notizen』に「Okawa Shumei und der Weg zur "Showa-Erneuerung"」(大川周明と「昭和維新」への道)の論文を、また同年11月、同雑誌に「Okawa Shumei und Japans Krieg in Ostasien」(大川周明と大東亜戦争)を発表した。後者の論文は大川周明(1886-1957)の1932年からの思想と活動を次の節に分けて検討した。一、五一五事件後の訴訟と獄中での活動(1932年~1937年)。二、日中戦争と「対米工作」(1937年~1940年)。三、南進・米国・日中戦争の三角関係の中で(1940年~1941年)。四、「大東亜戦争」(1941年~1945年)。五、東京裁判(1946年~1948年)。六、結論。本論文のために主に『大川周明日記』、『大川周明関係文書』と大川の著書『米英東亜侵略史』(1942年)、『大東亜秩序建設』(1943年)、『新亜細亜小論』(1944年)、『安楽の門』(1951年)、『敗戦後 大川周明戦後文集』(2010年)などを分析した。2016年2月24日、東京のOAG(オーアーゲー・ドイツ東洋文化研究協会)で招待講演「Politischer Utopismus bei Vertretern der japanischen Rechten vor 1945」(戦前日本の右翼者のユートピア論)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大川周明に関する資料を検討した過程のなかで論文のボリュームが徐々に大きくなったが(前者の論文の長さは28ページ、後者の論文は39ページになった)、研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、皇国史観の歴史家平泉澄(1895-1984)についての論文「Die imperiale Geschichtsideologie von Hiraizumi Kiyoshi」(平泉澄の歴史イデオロギー)を執筆する予定である。論文の重点は平泉の敗戦までのイデオロギーである。
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Causes of Carryover |
行った発表は日本国内(東京のオーアーゲー・ドイツ東洋文化研究協会)なので、旅費の全額を使うことができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度、同学会で二回発表する予定であり、その時旅費を使うつもりである。
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Research Products
(3 results)