2014 Fiscal Year Research-status Report
脱国民国家の思想からオルター国民国家の思想へ 近現代日本のトランスナショナリズム
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26370085
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
芝崎 厚士 駒澤大学, グローバル・メディア・スタディーズ学部, 准教授 (10345069)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際交流 / トランスナショナリズム / 地域の国際化 / ダイバーシティ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、函館を中心として1979年より開催された「国際交流のつどい」の成立過程を実証的に検証するための基礎作業を中心として、聞き取り調査、関連する資料の収集と分析を行った。平成26年9月および平成27年2月に函館に出張し、多くの関係者と情報交換を行い、また資料を入手することができた。同時に、箱根会議に関連する文献・資料の収集と聞き取り調査を、平野健一郎、阿部汎克、秋尾晃正氏などを中心に行った。 「つどい」関係については、これまで明らかでなかった創設時の事情について、多角的な視点から分析するための情報と資料を入手することができた。具体的には、これまで創設者とされてきた秋尾氏以外の関係者からの情報、及び同時期に函館で進行していた「湧源大学」構想との関係と七飯町、函館市の動きなども考察の視野に入れることができた。加えて、長年ホストファミリーを務めてきた方など、企画立案者ではなく実際に現場で国際交流を経験してきた関係者とも交流を深め、分析の視点を確立する上で有意義な調査を行うことができた。 加えて、現在「つどい」を含めた多様な事業を展開しているHIF(北海道国際交流センター)の活動の中での初期の活動の位置づけについても、事務局長池田誠氏、代表理事山崎正雄氏への取材で明確となってきた。「つどい」にとどまらず、函館を拠点にして全国でも指折りの国際交流活動の実績をもつHIFの通史的検討への道を切り開くこともできた。 こうした活動に加えて、従来の研究対象である箱根会議に関する文献や資料、また分析の視座を確立する上で必要な文献についても収集を継続し、一定の成果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主な研究対象として取り上げる予定の「国際交流のつどい」についての基礎的な研究の準備は順調に進展している。もう一つの主要な対象である箱根会議についても、聞き取り調査が「つどい」の調査に比してやや遅れていることを除くと、ほぼ順調に進展している。したがって、「おおむね順調に進展している」と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に「国際交流のつどい」については、過去2回の調査をさらに進展させるための調査を実施していく予定である。また、開催地は未定であるが、現時点までの研究調査をもとにしたパネル・ディスカッションを行う予定である。第二に箱根会議については、関係者への聞き取り調査をさらに強化するとともに、その思想的・学問的背景についてもより深く掘り下げるための準備を進める予定である。第三に、第一、第二の点双方の基礎資料の収集、関連文献の収集を継続する。
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Causes of Carryover |
函館関係の出張、聞き取り調査については3-4回を予定していたが2回となったこと、また箱根会議の聞き取り調査についても7-8回を予定したが3-4回となったことが最大の理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は函館関係の聞き取り調査をさらに進め、また箱根会議関係者(都内・地方含む)への聞き取り調査をさらに行う予定である。
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