2016 Fiscal Year Annual Research Report
Source Studies of the Roman Sacred Music during the Catholic Reformation
Project/Area Number |
26370113
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Research Institution | Musashino Academia Musicae |
Principal Investigator |
長岡 英 武蔵野音楽大学, 音楽学部, 講師 (00723793)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ルネサンス音楽 / ジョヴァンニ・アニムッチャ / ミサ曲 / カトリック宗教改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、カトリック宗教改革(半宗教改革)期にローマ教皇庁ジューリア礼拝堂楽長を務めたジョヴァンニ・アニムッチャ(c.1520~1571)の宗教曲研究を通じて、この時期のローマの典礼音楽の実像を示し、トリエント公会議の音楽への影響を解明することを全体構想としている。従来、ラウダ作曲家として捉えられることが多かったアニムッチャであるが、彼が1567年にローマで出版したミサ曲集第1巻は、1563年に終了したトリエント公会議の規範に沿って作曲されたと考えられ、非常に重要である。当時、教皇庁で実際に使われていたと考えられるミサ曲の実像と、その受容状況を明らかにすることと、それを広く周知させるために現代譜として出版することを目的とするものである。 平成28年度は、現存する16世紀に出版された楽譜資料の調査と、その写本の調査を2回行った。8月の第1回調査では、ライプツィヒ州立図書館、ブリュッセル王立図書館、デンマーク王立図書館で、翌年2月の第2回調査では、ベルリン州立図書館、ミュンヘン州立図書館、そしてモデナ古文書館で、アニムッチャのミサ曲集第1巻を中心に、翌年出版された彼のマニフィカト集や、同時代に活動していたパレストリーナのミサ曲集、それらの手写本を調査した。 11月に行われた日本音楽学会全国大会(中京大学)と、3月にアジアで初めて開催された国際音楽学会(東京藝術大学)で口頭発表し、内外の研究者から貴重なコメントやアドヴァイスを得ることができた。
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Research Products
(2 results)