2017 Fiscal Year Annual Research Report
Inheritance of experience and sensitivity - Database construction of technique books
Project/Area Number |
26370127
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
染谷 香理 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 助教 (90572579)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 技法書 / 日本画 / データベース / 技法材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでデータベースの作成・修正・登録を進めてきたが、最終年度までにデータベースへ登録した技法書は以下の通りである。1.土佐光起『本朝画法大伝』1617年、2.筆者不詳『御絵鑑』1700年、3.西川祐信「画法彩色法」『画本倭比事』1742年、4.大江玄圃 円山應舉「学翼」『問合早学問』1774年、5.窪俊満『画鵠」1783年、5.宮本君山『漢画独稽古』1807年、6.桓齋、鹿田孝清『画伝幼学彩色独稽古』1834年、7.椿椿山『椿山書簡』1846年、8.筆者不詳『狩野氏小伝」年代不詳、9.駒井龍仙 幸野楳嶺『絵具使用法』1890年、10.結城素明『画法一班』1930年。 データベースに登録する際には、検索を容易にすることと、誤字・あて字といった問題を解消するため、原文を現代仮名遣いに修正し、技法ごとに本文を区切って登録を行ってきた。そのため、技法ごとの体系的な検索や理解が可能となったが、技法書の個別の様式や技法書そのものの性質といったものの理解ができないという欠点があった。それらの欠点を補うためにも、原文に即した翻刻集の作成は不可欠であることがわかり、データベースの登録と平行して、翻刻や原本の画像の撮影や解題集を輯録した翻刻集の作成を行ってきた。前年度までにおおよそのデータの収集を終えていたが、ハードディスクの破損などにより遅れが生じていたため、最終年度である本年度は主にデータの回収や翻刻集の編輯を中心に行った。翻刻集に輯録する文献は江戸期のものとし、江戸中期篇として十篇、江戸後期篇として六篇の計十六篇で、併せて文献をもとに作成したサンプルも輯録した。これまで画論や画史の集成というものは刊行されてきたが、実技面からの視点でまとめた技法書集成というものは他に例がなく、データベースのみならず翻刻集の編輯は本科研での成果であると考える。
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Research Products
(3 results)