2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Buddhist sculptures in the early Heian period from the point of view of the development of syncretization of Shintoism with Buddhism
Project/Area Number |
26370149
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Institutes for Cultural Heritage Tokyo National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
皿井 舞 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化財情報資料部, 主任研究員 (80392546)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神仏習合 / 神像 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度には、中国における在地信仰との実態やその展開について実地調査をするとともに、それとあわせて国家神として発展していった、九州地方の在地神八幡神の展開について検討した。こうした前年度までの調査をふまえて、今年度においては日本の地方神を中心に調査等をおこなった。 具体的には岡山県や福井県における神像の調査、また石川県珠洲市の須須神社、白山神社など実地調査などをおこない、地方神の図像とその展開について跡付けるための資料を収集した。特に近年では重要文化財にも指定された広島・南宮神社の神像など在地神の群像が注目を集めている例が多く、群像として在地神が作成される場合の表現のあり方に注意を払った。 結果としてはもう少し幅広く情報収集を重ねる必要があるが、顔の向きや体の向きなどで対をつくるなど群像のなかでもさらにまとまりをつくろうとしていることがうかがえた。群像として神像をつくる機運が生まれてくるのは、一般社会の家族構成の在り方の変化とも関係があるのではないかと推測されるが、こうした観点からの調査はまだなされていない。そうした意味では、神像彫刻研究における次の段階の課題が明瞭になったと言え、今後の展開を見込むことができた点で意義が認められる。 また最終年度である今年度は、これまで調査をおこなってきた資料整理等の整理をし、論文執筆等の準備をおこなっているところである。これまでの成果は、逐次、雑誌等で報告していきたい。
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