2014 Fiscal Year Research-status Report
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26370175
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Research Institution | Toho Gakuen School of Music |
Principal Investigator |
金子 仁美 桐朋学園大学, 音楽学部, 准教授 (00408949)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | テクノロジー / 現代音楽 / IRCAM / ミクスト作品 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である、音楽における電子工学による表現の拡張モデルの提示を実践するため、今年度は以下の研究を行った。 IRCAM(フランス国立音響音楽研究所)データベースを軸に、まずは20世紀後半から21 世紀にかけての作品を中心に、作曲年、楽器編成などの基本情報や、使用機材、アプリケーションなどを調べた。並行して、作曲家たちが実際どのようにミクスト作品を制作する環境を構築しているか、フランスを中心としたミクスト作品における各作曲家、各作品の社会的評価を調査した。また、研究に該当する作品候補を絞ったが、研究が可能な資料が入手できるか、研究の目標である「電子工学による表現拡張モデル」を抉り出せる材料が揃うか、現在検討中である。 他方、コンピュータシステムが、どのように作品に係わっているかを知るために、IRCAM技術者の支援のもと、システムの操作の実習を開始した。これは、当初の研究計画では平成27年度に開始する予定であったが、前倒しで行うことが出来た。また、実習が作品制作に繋がることも視野に入れ、進めることに成功した。 本研究は、作曲家との係わりを強く維持している研究機関を複数もつフランスを中心に行われているが、フランスでの研究を把握するためにも、機会を得てさまざまな機関による研究、創作の実態を知る必要があるため、平成26年度は、9 月にアテネで共同開催された国際学会ICMC(The International Computer Music Association)と SMC(the Sound & Music Computing conference) の国際学会に参加し、世界各国の研究、創作の水準、方向性、質などを調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、データベースの調査など、日本で進められることが多かったことから、研究の土台を作ることができた。また、パリでの研究が、資料調査に留まらず、現場の声を聞くなどのアンケート、作品制作の実験などに広げられたことは、大きな進展に繋がった。また、ICMC2014への参加で、世界各国の研究発表やミクスト作品、電子音楽作品、インスタレーションなどの傾向や進展の状況の一部を知ることが出来た。更に平成27年度の研究計画としていたコンピュータシステムの作品への係わり方を知るための、操作実習を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに申請者が研究分担者、および連携研究者として関わってきた科研費による基盤研究(A)、(B)の経験を取り込み、当時の研究チームとも議論を進め、工学がどのように音楽表現に関与し、どのような技術が表現の拡張を可能にしたのか、それにより、どういった新しいモデルが構築されたのか。さらには、今後の日本における展開として、施設や教育体制の現状と、今後の改革の可能性などを議論、検証、そして具体的研究として提唱したいと考えている。 また、再度の渡仏により、研究計画をさらに推し進める(該当作品の作曲者、技術者への調査)。 技術者を招聘し、ワーク ショップ開催を計画する。大学機関などを対象に開催することで、次世代への教育の一環として、電子工学の技術が芸術表現の拡張にいかに入り込み関与しているか、そのモデルの一部を、本研究の一つの成果として提示したい。 更に、技術者の助言を通して、平成26年度に開始したシステム操作の実習を継続し、作品制作に繋げたい。研究と実際の制作という両面から、芸術音楽の電子工学による表現拡張モデルの研究を推進させる。
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