2017 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of Anime tourism (visiting to the location of scenes in animation) by analysis of NICONICO site audience comment
Project/Area Number |
26370184
|
Research Institution | Kanazawa Gakuin University |
Principal Investigator |
越田 久文 金沢学院大学, 芸術学部, 准教授 (30585873)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 亨 金沢学院大学, 基礎教育機構, 准教授 (90645350)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | アニメ / 地域活性化 / 舞台地観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アニメ作品の評価とその舞台地の活性化、経済的効果の相関関係を明らかにすることである。手法として①アニメ作品の舞台地となった地域の現地調査と②ニコニコ動画のコメントデータの解析を並行して行い、アニメ作品のインターネット上の言説(作品に対して好意的か否定的か等)と、舞台地訪問等の行動誘発との間の相関関係を調査した。 現地調査は青森県から鹿児島県まで全国30地点を訪問し、自治体、現地住民へのヒアリング、現地施設、看板・ポスター・アニメ関連商品等の設置状況などを確認した。テレビアニメにおいては、自治体が事前に当地が作品内に登場するかを知っていたか否かによって2つのグループに分類し、観光客入り数の増減をみたところ、事前に把握し積極的にPRをした舞台地が必ずしも観光誘致に成功しているわけではないという結果であった。成功モデルを示すとすれば、アニメが話題となり、地元住民(商店街等)が変化に気づき自主的に対応を始め、自治体が「後追い支援」を始めるというのがひとつの成功モデルといえる。 ニコニコ動画のコメント解析では、頻出語、コメントの否定的あるいは肯定的の別、語の相関関係等を調査し、作品への評価と現地調査における経済効果の相関を見出そうとした。ニコニコ動画では、「ニコニコ語」とも呼ぶべき独特の言い回し(ネットスラング)がサービス開始時より形成されており、通常辞書突合による好感・不快の判別をどうつけるかという点でかなりの労力を要した。「ヒドス(ひどい)」という語はニコニコの言説空間では必ずしも否定的評価とは言えないのである。 結果としてニコニコ上でコメントが多く付いているほど現地への入り込みが増えるといった単純な相関は見いだせなかったが、自治体の過剰関与は少なくともニコニコ動画のユーザーにとってはマイナス要因となりうる可能性がある。
|
Research Products
(1 results)