2014 Fiscal Year Research-status Report
80年代中国映画に見る黒澤明映画の受容に関する映画記号学的研究
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26370194
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Research Institution | Koriyama Women's Junior College |
Principal Investigator |
福島 ひろ子(張紅) 郡山女子大学短期大学部, 文化学科, 講師 (10570947)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本映画 / 黒澤明映画 / アジア映画 / 80年代の中国映画 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本発映像コンテンツとしては、映画と共に、重要なのはアニメであろう。そのため、実施計画に従い、前半は広島国際アニメフェスティバルに参加した。ハンガリーやカナダ、イタリアの巨匠たちのアニメ作品に見られると思われる日本的影響を探った。また、映像メディア関係の学会や映画祭などに参加し、映像に関する最新技術の話題を集めたりした。東京国際映画祭でについては、アニメを日本から世界へ発信し、日本のソフトパワーを世界に見せたいという意欲が強く打ち出されているという印象を持った。それは近年、韓国や中国など他のアジアの国々の映画祭の開催規模に押さえられてきた東京映画祭の新たな方向転換でもあり、今後も引き続き注目していく必要があろう。それと関連して、京都ヒストリカ国際映画祭は映画草創期や黄金時代の作品および過去の時代を題材にした映画が日本映画の歴史を知る上では大変有意義だった。 後半は日本映画そのものに関する研究の最新動向の把握に努めた。例えば第10回日本映画学会の研究発表を例に見るならば、小津安二郎、木下恵介、黒澤明などの日本名監督の作品に対する分析や映画の中の中国系移民問題、戦後韓国映画の傾向などに関する研究発表は新鮮な内容が多かったように思われる。それと同時に、日本映画の草創期の遺跡を調査したり、日本アニメを世界に送り出した手塚治虫記念館などを訪ね、資料の収集も実施した。日本映画の歴史と共に、アニメの歴史についても調査する必要性を痛感した。そのため、年初め早々、早稲田大学演劇博物館で資料調査を試みたのである。 年度末は中国北京と武漢へ出張し、北京電影学院や中国電影博物館、武漢大学などにおいて資料収集と研究の打ち合わせを行い、中国における日本映画の資料保存と研究の現状を知ることができた。次年度の研究活動にとって示唆になる材料を多く得ることができた旅となったのである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内と国外に分けて実施したため、おおむね順調に進展しているのである。 国内については、日本国内における映画祭や学会集会などにおける資料調査や最新研究の動向を把握することが主な目的であり、それらは週末開催が多かったため、関連するところはほぼ計画通りに実施し、所期の目的が達成した。 国外については、80年代中国映画における日本映像コンテンツの影響を探るのが目的であるため、年度末に北京や武漢の関連施設を訪ねることができたのである。北京電影学院と中国電影博物館は日本映画研究において多くのスタッフが活躍しており、彼らに会って、研究の打ち合わせなど有意義な交流ができたのである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究計画通りに実施していきたいと考えている。前年と同様に、国内と国外に分けて実施することになる。 国内については、引き続き映画祭研究集会などに参加して資料収集を行う予定である。国外については、できれば中国かアメリカに行くことを計画している。
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Research Products
(1 results)