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2015 Fiscal Year Research-status Report

日本演劇と国際舞台 マダム花子一座を中心とした海外巡業劇団の総合研究

Research Project

Project/Area Number 26370197
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

根岸 理子  東京大学, 教養学部, 特任研究員 (80322436)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsジャポニスム / エキゾチシズム / 女優 / シアトリカリティー / オリエンタリズム / 日本人論 / 日本論 / 技芸
Outline of Annual Research Achievements

20世紀初頭、20年近くにわたって欧米各国で巡業をおこない人気を博し、彫刻家オーギュスト・ロダン(1840-1917)の気に入りのモデルともなった日本女優マダム花子(1868-1945)の一座に関する資料収集を前年度に引き続いておこない、分析作業を開始した。
平成27年度は、マダム花子一座が拠点とした英国ロンドンと、帰国後花子が余生を過ごし、その墓もある岐阜県岐阜市における調査を重点的におこなった。
英国での調査においては、新たに、新聞等に掲載された写真や絵(花子の似顔絵や舞台姿)および劇評などを得ることができ、それらにより、マダム花子が海外においていつ頃まで舞台に立ち続けていたか、その時期をほぼ確定することが可能となった。
ロンドンのアンバサダーズ劇場支配人の要請で日本の踊り子を集めるため1916年、日本に一時帰国した花子は、踊り子たちを連れて英国に戻ったものの、戦争の激化で公演が困難になり、引退したと思われていたが、実際は、1918年末まで、英国各地の舞台に立ち続けていたようである。
岐阜での調査においては、帰国後の花子に、海外での体験やロダンのモデルとしての経験についてインタビューした人の記事等が見つかるなど、この度、国内外で収集することができた貴重な資料により、花子の人物像および花子一座の全体像が明らかになりつつある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、イタリアを訪れる予定であったが、資料を確実に入手するためには、マダム花子に縁の深い土地での調査を優先した方が良いと判断し、英国や岐阜などにおいて調査を行うことにした。結果的に、マダム花子がどのような公演活動をいつ頃までおこなっていたのか、ほぼ確定でき、本年度目標としていた、花子のキャリア終盤の模様を明らかにすることが可能となったため。

Strategy for Future Research Activity

引き続き、マダム花子に縁の深い国内外の土地での調査を優先し、収集した資料の分析と紹介に力を尽くしたい。まずは、2016年度秋に刊行予定の書籍『演劇のジャポニスム(仮題)』(森話社)において、これまでの成果を世に発信する予定である。
上記に加え、花子が海外に出るまでの詳細な経緯と、1902年のコペンハーゲン行きから1921年の日本帰国までの、日本の新聞に取り上げられた花子関連の記事の調査と分析をおこなう。母国においての花子や花子一座の評価は、外国における評価と同じく重要であり海外の日本演劇研究者が最も得たい情報でもあると思われる。
また、2016年度は本研究の最終年度であるので、マダム花子一座だけではなく、彼らに先んじて海外で活躍した日本人や、一座の後に公演をおこなった巡業劇団も視野に入れ、「日本演劇」が国際舞台に与えたインパクトについて総括的に考察し、発表することを目指す。

Causes of Carryover

海外および日本国内での資料収集・調査が必要不可欠の当研究であるが、事情により、本年度は最も日程をたてやすい夏季休暇中に出張することが難しかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

本研究では、旅費が大きな割合を占める。引き続き、国内及び海外においての調査に使用したい。また「日本演劇」や「日本俳優」を海外の人々がどう見てきたかを探る本研究においては、海外の文献に目を通す必要があるので、国内の図書館が所蔵していない資料(洋書等)を購入する予定である。

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Published: 2017-01-06  

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