2014 Fiscal Year Research-status Report
広島の女性作家・岡田（永代）美知代に関する基礎的および総合的研究
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26370238
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| Research Institution | Hiroshima University |
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Principal Investigator |
有元 伸子 広島大学, 文学研究科, 教授 (50202768)
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2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 岡田（永代）美知代 / 広島県の女性作家 / 地域性 / 少女小説 / 田山花袋 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、広島県出身の女性作家・岡田（永代）美知代（1885（明治18）年～1968（昭和43）年）について、（１）著作リストや年譜などの基礎的データを整備した上で、（２）著作権に配慮しながら、著作の紹介と公開に務め、（３）田山花袋の「蒲団」のモデルとしてのフィルターを排して、一人の女性作家として総合的に評価し直すこと を目的とする。
美知代の著作リストの改訂を最優先するために、各地の図書館等で調査を行い、いくつかの作品を発掘することができた。雑誌だけではなく、新聞にも調査対象の範囲を広げており、美知代の夫の永代静雄が勤務していた新聞のうち、すでに『中央新聞』や『富山日報』には美知代が作品を掲載していることが確認できている。今年度は、『東京毎夕新聞』を対象にしているが、現在までのところ未発見で、調査を継続中である。
また、府中市上下歴史文化資料館の方々とともに、美知代の夫・永代静雄の故郷である兵庫県吉川町を訪問し、探索や関係者のお話を伺った。
研究として、「岡田（永代）美知代研究の現況と可能性─〈家事労働〉表象を例に」を『日本近代文学館年誌 資料探索』第10号に発表した。これは、美知代研究の現状と今後の可能性を概括するとともに、美知代の従来知られていない小説を例に家事表象のジェンダー的な問題点を述べたものである。また、『中国新聞』夕刊「でるた」欄と、群馬県立土屋文明記念文学館第84回企画展図録「文豪 田山花袋－近代の小説を模索した日々」にも、美知代に関する紹介記事を掲載し、ひろく美知代の人と文学の持つ意義について解説した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
美知代の著作リストの改訂を進行中であり、各地図書館において調査すべき新聞雑誌の調査を進めている。また、夫の永代静雄の故郷の実地探索も進め、年譜作成上の参考とすることができた。
美知代の人と文学に関する論文を研究誌に掲載するとともに、一般に向けた解説記事も新聞と文学館の図録に発表した。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成27年度も、著作リストの改訂のために、各地図書館において新聞雑誌の著作調査を継続して行う。作品の収集・整理・分析を進めるとともに、作品の公開を目指して、デジタル化を進める。
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| Causes of Carryover |
女性雑誌・少女雑誌関連図書に関して、古書店等で見つからず、購入できないものがあったため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
必要な書籍・雑誌の購入に務める。本年度も、文献調査のための旅費・文献複写費を支出する。また、作品の公開のため、作品の整理やデジタル化を研究補助の大学院生によって作品の整理やデジタル化を進めるとともに、ホームページ作成を業者に依頼する。
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Research Products
(2 results)
