2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Life and Works of Joseph Conrad, focusing on his Eastern Seas
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26370298
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
設楽 靖子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (10311242)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 英文学 / イギリス小説 / コンラッド / 東南アジア島嶼部 / ポーランド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ポーランド出身の英文作家ジョウゼフ・コンラッド(1857-1924)の生涯と作品について、19世紀後半ポーランドでの生い立ち、イギリス商船員として体験した「帝国の海」、19世紀末~20世紀初頭のイギリス文壇、という3つの側面を関連づけながら、それぞれの歴史的・社会的文脈の中での理解の深化を試みるものである。研究の特徴は、作家自らが体験し、かつ作品の舞台とした19世紀後半の東南アジア島嶼世界(本研究では「東洋の海」と呼ぶ)との関わりに焦点を当てていることである。研究計画は、「文献調査」「現地調査」「アジア地域の研究者とのネットワーク作成」の3つの柱からなる。 この構想のもと、5年目かつ最終年度の平成30年度には、イギリス・コンラッド協会主催の国際会議(エセックスの大学にて開催)に参加し、本研究テーマでの第一線の研究者たちから最新の研究情報を収集した。また、2019年秋に京都で開催予定の日本コンラッド協会主催の学会について意見交換をした。また、学会の後、ロンドン大学図書館(Senate House)とポーランド文化会館図書室にて文献調査を行なった。前者は、本テーマに関する研究資料が最近まとまって寄贈されたので、その実物を閲覧できた。後者では、イギリスにおけるこの作家のforeignnessに注目した研究動向を知ることができた。この成果は、日本コンラッド協会の機関誌『コンラッド研究』No. 10に、「英国コンラッド協会第45回年次大会: 参加報告」として掲載した。 加えて、昨年度に開催したシンポジウム「コンラッドと病」のトピックを継続すべく、ロンドン・聖トマス病院のナイチンゲール博物館にて情報収集を行なった。 最後に、こうして得られた新規の研究情報に基づき、洋書を中心に、一次史料を含めて資料購入を積極的に行なった。
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Research Products
(1 results)